ミック経済研究所は2019年11月5日、RPA(ロボットによる業務自動化)の市場レポート「驚異的な拡大続くRPAソリューションの市場動向 2019年度版」を発刊したと発表した。RPA市場は、2018年度が395.5億円(前年度比215.6%)、2019年度が689.5億円(前年度比174.3%)であり、市場は高留まりのまま推移する。
ミック経済研究所は、RPAの製品・サービスを提供するベンダー28社の2018年度実績、2019年度見込み、2020年度予測を調査した(図1)。市場全体の集計分析と2023年度迄の中期予測を行い、各々の市場動向を考察した(調査期間は2019年8月~10月)。
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RPA市場は、2018年度が395.5億円(前年度比215.6%)、2019年度が689.5億円(前年度比174.3%)と拡大が続く。2018年度から2023年度までの年平均成長率は51.14%であり、市場は高留まりのまま推移する。
RPAのライセンス市場は、2018年度が115.5億円(前年度比219.5%)、2019年度が239.5億円(前年度比207.3%)となる。ライセンスの内訳では、2018年度はオンプレミスが92.8%とほとんどを占めている。一方、クラウドは2023年度まで年平均118.14%で成長する。
RPAのコンサルティングおよびSI市場は、2018年度が280億円(前年度比214.1%)、2019年度が450億円(前年度比160.7%)となる。2023年度まで年平均37.97%で成長する。
「RPA市場が立ち上がった当初は、大手コンサルティング会社を軸に、企業の業務改革プロジェクトのなかでRPAを適用し、これらが市場を牽引してきた。現在では、超大手企業向けに先行した大型案件は一巡し、中堅・中小企業に拡がってきている」(同社)。
同社は、RPA機能の進化のステップとしては、以下を想定している。
ステップ1(RPA1.0)は、Excelでマクロ登録を行うレベルの技術で、キーボードやマウス操作を対象とした定型業務・単純作業の自動化を行う。
ステップ2(RPA2.0)は、AI連携によるRPAの高度化を目指す。一部、AI-OCR(光学文字認識)との連携利用を行う。RPA市場は、現状ではここに位置している。
ステップ3(RPA3.0)は、RPAで収集蓄積したデータを、需要予測など業務分析に繋げる。データサイエンスにおけるAI技術連携がRPAの最終形態と言えるとしている。