TISは2019年11月8日、ヴイエムウェアのクラウドサービス「VMware Cloud on AWS」の導入・運用支援サービスを拡充すると発表した。新オプションとして、ネットワーク設計、PoC(概念検証)、VDI(デスクトップ仮想化基盤)の3つの用途を支援するサービスを用意した。
「VMware Cloud on AWS」は、ヴイエムウェアとパートナー企業が提供するIaaSである。AWS(Amazon Web Services)のデータセンター上に用意したベアメタルサーバーでVMwareの仮想化ソフト群を動作させ、これをマネージド型(運用サービス付き)のクラウドサービスとして販売する。
TISは、VMware Cloud on AWSの利用を支援するサービスとして、「導入支援サービス」「運用支援サービス」「請求代行サービス」を提供してきた。今回新たに、3つのオプション機能を追加した。ネットワーク設計を支援する「ネットワークパック」、PoC(概念検証)を支援する「PoCパック」、VDI環境を構築する「VDI導入・運用サービス」である(図1)。
これらのサービスを活用することで、ユーザー企業はVMware Cloud on AWSの導入におけるアセスメントから設計、構築、運用まで、一括でアウトソースできるようになる(表1)。
サービス名 | 概要 |
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導入支援サービス | TISのエンジニアが環境設計・構築をはじめ、アセスメントから導入まで一元的に支援する |
運用支援サービス | VMware Cloud on AWS環境の運用を支援する。要望によって運用メニューを自由にカスタマイズできる。AWS環境も含めた総合的な運用代行も請け負う |
請求代行サービス | VMware Cloud on AWS利用料の請求代行をTISが行いう。クレジット購入だけでなく月額利用型でも提供できる |
ネットワークパック | TIS推奨の回線/通信機器を含むネットワーク設計のベストプラクティスを提供する。ユーザー企業内部のネットワーク部門や外部の通信キャリア、データセンター事業者との折衝も含め、TISのエンジニアがトータルで支援する |
PoCパック | 3パターンのPoC(概念検証)プランをもとに、TISのエンジニアが企業のPoC実施を支援する。オンプレミスとの連携方式、バックアップ、セキュリティなど多岐にわたる項目を、個社別の環境、検証目的に合わせた最適な検証プランとして提案する |
VDI導入・運用サービス | VMware Cloud on AWS環境上でのVDI(デスクトップ仮想化)ミドルウェア「Horizon on VMware Cloud on AWS」の導入・運用を支援するTISのVDI構築・運用実績で培ったノウハウをメニュー化したとしている |
今回オプションを追加した背景として同社は、オンプレミス環境とAWS環境を連携させる上でネットワークの設計が重要になる状況を挙げる。「一方で、大企業ではIT基盤とネットワークの担当者が分かれていることが多く、ネットワーク要件の検討時にネットワーク部門や外注ベンダーなどとの折衝が必要になっている」(同社)