ディスカバリーズは2020年1月7日、働く人に特化したビックデータ解析クラウドサービス「インテリレポート」に、チームのコミュニケーションを可視化する「エンゲージメントレポート」を追加し、提供を開始した。経験や感覚に頼っていたチームの生産性やエンゲージメントを定量化でき、コミュニケーションやコラボレーションの課題を顕在化しやすくなる。これによって改善への取り組みの具体性を向上し、効果を高めることが可能になる。価格(税別)は、1ユーザー当たり月額600円。
インテリレポートは、働く人に特化したビックデータ解析クラウドサービスである(画面1)。メールやチャット、ファイルのシェアなどのコラボレーションやコミュニケーションの状況について、Office 365などのクラウドサービスからワークログを自動的に収集し、組織の生産性やエンゲージメントなどのレポートとして可視化する。
拡大画像表示
リモートワークを導入する際の課題に、管理者が部下の働き方を把握しきれなくなるという問題がある。これに対してインテリレポートは、Microsoft TeamsやExchangeのワークログを収集して可視化することで、働き方を把握できるように支援する。
管理者は、インテリレポートで部下の働き方を見ながら、メンバーと信頼関係を築くことができる。1人ひとりが成果を発揮できるようにサポートできる。生産性の向上以外にも、社員が働きがいやチームに対しての愛着心を持てるようにサポートすることで、離職率の低下にもつながる。
今回、新たにエンゲージメントレポート機能を追加した。チャットや会話、リアクションを含むチームコミュニケーションの利用ログを自動的に収集・解析してスコア化するものである。
具体的には、Microsoft Teamsの利用ログからチームコミュニケーションの活性度の推移を計測してスコア化する。Teams上で行われたチャット・会話・いいねなどのリアクション回数から、「誰と誰がつながっているのか」、「発信度の高い人は誰か」など、チームの実態をわかりやすいネットワーク図で可視化する。また、これを数値化して、コミュニケーションスコアの推移を計測する。人事権限とマネージャー権限を持つ利用者が閲覧できる。
インテリレポートは、このほかにも「生産性レポート」と「アイディエーションレポート」を備えている。
生産性レポートは、Office 365の利用ログを基に、組織全体や部門、従業員単位での近似的業務時間をレポートする。時間外労働が発生している部門や従業員を容易に把握でき、持ち帰り残業の実態も明らかにできる。働き方のモデルケースを発見できれば、より良い働き方を組織に伝播させることも可能だ。
アイディエーションレポートは、膨大に蓄積された情報のなかから、価値のあるナレッジや情報を特定する。ナレッジ共有に貢献している従業員が誰なのかも把握できる。社内で利用価値の高い情報を生み出し、共有している部門/従業員のノウハウを分析するために活用可能だ。
背景について同社は、リモートワークの導入の際に、社外での業務が増えることで情報格差ができたり、情報が正しく伝わらなかったりするケースが見受けられることを挙げる。「こうしたことで、生産性やモチベーションが下がることもあり、期待していたリモートワークの成果を上げられない場合もある」(同社)。