パナソニックi-PROセンシングソリューションズは2020年3月18日、AIプロセッサを搭載したネットワークカメラ「Xシリーズ」を発表した。同時に、Xシリーズ上で動作するアプリケーション2種を発表した。これらにより、ネットワークカメラ上でAIを活用した画像認識などの処理が行える。いずれも、パナソニック システムソリューションズ ジャパン(パナソニックSSJ)を通じて同年7月から販売する。
パナソニックi-PROセンシングソリューションズの「Xシリーズ」は、AIプロセッサを搭載したネットワークカメラである。別途PCに接続することなく、カメラ単体でAIを用いた画像認識ができる(画面1)。画像認識により、対象を監視するための適性な露出も得られる。ドーム型(屋外用、屋内用)と屋外ボックス型の3タイプを用意した。
画面1:AIプロセッサを内蔵したXシリーズによる画像認識の様子(出典:パナソニックi-PROセンシングソリューションズ)拡大画像表示
カメラ上では、AIプロセッサを利用するアプリケーションを最大で3つまで動作させられる。アプリケーションの追加によって、カメラが捉えた映像を自ら解析し、解析結果など必要となる情報を映像と合わせて上位システムに受け渡せるようになる。人が介在することなく、AIが自動識別、判定を行い、認識結果を通知できる。
カメラと同時に、2種類のアプリケーションを販売する。「AI動体検知アプリケーション」と「AIプライバシーガードアプリケーション」である。さらに、アプリケーションを開発するためのソフトウェア開発キット「i-PRO Camera SDK」を、サードパーティ向けに提供する。
「AI動体検知アプリケーション」(WV-XAE200W)は、指定したエリアへの進入を自動で判別し、警告の通知などを行う。進入したものが自動車(4輪車)、バイク、自転車(2輪車)、人なのかを自動で判別できる。車両禁止エリアへの車両の侵入、車両専用エリアへの人の侵入などを自動で検知する。
「AIプライバシーガードアプリケーション」(WV-XAE201W)は、カメラに映った人の顔や姿全体に、自動でモザイクをかけられる。映り込んだ人のプライバシーや肖像権保護のため、映像上で個人を特定できないようにできる。例えば、工場の生産ラインの状態を監視する場合に、作業員のプライバシーに配慮できる。スーパーで売り場の映像を店内に流す場合に、買い物客の個人が特定できないようにできる。
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