[事例ニュース]
マンパワーグループ、コールセンター部門のマニュアル管理をチャットボットで効率化
2020年4月17日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
人材派遣・人材紹介サービス事業者のマンパワーグループは、コールセンター部門におけるマニュアル管理の効率化を目的に、人工知能とCGキャラクタを活用した自動応答システムを稼働させた。チャットボットを介して情報を調べることで、問い合わせ対応を効率化する。同社にチャットボットを導入したユーザーローカルが2020年04月10日に発表した。
マンパワーグループは、コールセンター部門のスタッフが使うためのチャットボットを導入した(画面1)。マンパワーグループの社員や、マンパワーグループの人材派遣サービスを利用している人からの問い合わせに対し、コールセンター部門の担当者がチャットボットを操作して情報を調べ、調べた情報を利用して問い合わせに回答する、という使い方になる。
拡大画像表示
マンパワーグループのコールセンター部門では、マンパワーグループの社員からの問い合わせや、人材派遣サービスの利用者からの問い合わせに対応するため、膨大な数のマニュアルを使っている。コールセンター部門のスタッフは、個々の問い合わせに対し、マニュアルを参照して回答している。
課題は、マニュアルの量が膨大で、必要な情報をすぐに入手できないことだった。「関連するマニュアルの場所が分からない」、「個人が自分の使いやすいようにカスタマイズしてしまい、内容の統一がとれない」といった問題が発生していた。マニュアルの管理方法による、業務効率の低下が課題となっていた。
今回、チャットボットを導入し、膨大なマニュアルの中から必要な情報を簡単に入手できるようにした。また、チャットボットの利用率を高めるため、CGキャラクタを用いたアニメーション型のチャットボットを採用し、親しみやすさや話しかけやすさを高めた。業務に不慣れな新人スタッフが問い合わせ対応を担当する場合でも、正しい情報へ誘導できる、としている。
導入したチャットボットは、ユーザーローカルが開発・提供している製品である。音声対話が可能で、CGキャラクタが会話内容に応じた仕草を返すことによってコミュニケーションの質を高めている。要素技術として、60億件を超えるSNS上の会話データの分析に基づいて開発した自然言語処理技術、テキスト解析の精度向上に特化した独自開発AI、CGキャラクタ、――を組み合わせている。