デージーネットは2020年4月21日、オンプレミスにKubernetes環境を構築するSIサービス「コンテナスターターサービス」を開始した。構築からサポートまでをオールインワンで提供する。セキュリティポリシーなどの理由からクラウドのコンテナサービスを利用できない企業に向けて提供する。価格(税別)は、構築費用が280万円から(ハードウェアは含まず)で、サポート費用が年額87万。
デージーネットの「コンテナスターターサービス」は、オンプレミスにKubernetes環境を構築するSIサービスである。構築だけでなく、構築後のサポートまで含めて、オールインワンで提供する。サポートによって、オンプレミスにKubernetes環境を構築する上で生じるいくつかの課題を解消する。
背景について同社は、オンプレミスにKubernetes環境を構築して運用する場合、複数台のサーバーを用いたKubernetesクラスタの構築が難しいという問題を挙げる。「また、専門用語が多く、マニュアルを見てもよく分からない。Kubernetesのアップデートが多く、対応が大変になる。こうしたことから、自社で保守しきれなくなる」(同社)。
コンテナスターターサービスでは、これらの課題を解消する。Kubernetesクラスタの構築をデージーネットが引き受け、Kubernetesクラスタを利用するために必要なコンポーネントをインストールした状態でユーザーに引き渡す。コンポーネントには、Kubernetesのダッシュボード、コンテナレジストリ(Gitlab)、Kubernetesのロードバランサなどが含まれる。利用開始後のQ&A対応や障害対応もデージーネットが行う。
最小構成の場合、仮想基盤にoVirt(オーバート)を利用することによって、物理サーバー2台で構築できる。サーバーは、必要に応じて拡張できる。
ダッシュボードは、Web画面として実装している(画面1)。ダッシュボード画面を操作することによって、YAML形式のファイルを直接手で記述することなく、Kubernetesのリソースやノードを管理できる。ユーザビリティが高く初心者でも利用しやすいとしている。
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独自のロードバランサ機能を提供する。Kubernetesに含まれているロードバランサでは、コンテナネットワーク外からのアクセスが難しいという課題があった。これに対して、コンテナスターターサービスのロードバランサ機能では、負荷分散だけでなく、すべてのKubernetesノードでサービスIPアドレスを受け付けることができる。ノード障害時に切り替わりが発生した場合も同じサービスIPアドレスで接続できる。
Kubernetesのアップデートは、年に2回、デージーネットが実施する。Kubernetesは3カ月に1回アップデートがあるが、連携するソフトウェアとの整合性を確認し、年に2回の頻度で安定したバージョンを提供する。