[調査・レポート]

国内ERP市場は、2022年度にSaaSがパッケージを上回る―ITR調べ

2020年4月23日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

アイ・ティ・アール(ITR)は2020年4月23日、国内におけるERP(統合基幹システム)の市場規模の推移を発表した。SaaS市場が急拡大しており、2018年度の売上は前年度比38.9%増で、2019年度も同36.4%増と大幅に伸びる。2022年度にはSaaS市場がパッケージ市場を上回る。

 国内ERP市場は、2018年度の売上金額が1004億円で、前年度比9.1%増と堅調に伸びた(図1)。2019年度も、前年度比13.4%増と、2018年度を上回る成長を見込んでいる。2018~2023年度のCAGR(年間平均成長率)は、9.5%を予測している。

図1:ERP市場規模推移および予測:提供形態別(パッケージ部分は運用形態別)(2017~2023年度)(出典:アイ・ティ・アール)図1:ERP市場規模推移および予測:提供形態別(パッケージ部分は運用形態別)(2017~2023年度)(出典:アイ・ティ・アール)
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 ERP市場が成長する背景の1つとして、経済産業省が2018年9月に発表した「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」に後押しされるかたちで、老朽化したERPシステムの更新を進める企業が増えている状況がある。

 また、2019年4月施行の「働き方改革関連法案」や、2019年10月施行の消費税率引上げと軽減税率制度の導入も、ERPへの投資を増やしている。老朽化した既存システムのリニューアル、導入済み製品の機能拡張、適用範囲の拡大など、今後もERPに対する投資は安定的に増えることが見込まれる。

2022年度にはSaaS市場がパッケージ市場を上回る

 ERP市場を、パッケージとSaaSの提供形態別で比較すると、パッケージ市場のシェアが年々減少傾向にある一方で、SaaS市場が急拡大している。2018年度のSaaS市場の売上金額は、前年度比38.9%増の264億円となった。2019年度も前年度比36.4%増と引き続き大幅な伸びを予想する。

 2022年度にはSaaS市場がパッケージ市場を上回るとITRは予測している。背景として、主要ベンダーがSaaSの販売を強化しており、パッケージを導入している企業が徐々にSaaSに乗り換えている状況がある。

 なお、今回の調査対象48ベンダー93製品のうち、SaaSを提供しないパッケージ(オンプレミス)専業は15ベンダー17製品だった。パッケージとSaaSを併売していたベンダーの一部は、事業の軸足をSaaSに切り替えている。

 パッケージ市場を運用形態別に見ると、オンプレミスでの運用が年々減少し、IaaSでの運用が拡大している。背景には、コストが安いことや、導入が早いことなどのメリットを理由に、ERPパッケージの稼働環境としてIaaSを選択する企業が増えている状況がある。

 また、自社のIaaSとセットで販売するベンダーが増えつつあることも、IaaS拡大の要因となっている。IaaSの選択肢としては、2018年度までAWS(Amazon Web Services)が主体だったが、2019年度以降はAWS以外のIaaSも増加傾向にある。

 今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View:ERP市場2020』に詳細を掲載している。ERP市場を対象に、国内48ベンダーへの調査に基づいた2017~2018年度売上げ実績および2023年度までの売上げ予測を掲載している。

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