ZenmuTechは2020年5月21日、データを分割して無意味化する“秘密分散方式“を採用した情報漏洩対策サービス「ZENMU Virtual Desktop」の新バージョン「1.3」を発表した。新版では、保護できるフォルダの最大数を4から20に変更したほか、クラウド上の管理サーバーにログインする際のセキュリティを高めた。価格(税別)は、月額780円。
ZENMU Virtual Desktopは、データを分割して無意味化する“秘密分散方式”を採用した情報漏洩対策サービスである(関連記事:ZenmuTech、ファイルをPCとクラウドに分割保存して情報漏洩を防ぐ新製品)。ファイルを2つに分割し、1片をPCの内蔵ディスクに、もう1片をクラウドやUSBメモリーなどの外部ストレージに分散保管する。2片が揃わないとデータを読み取れないので、1片を漏洩させても情報は漏洩させずに済む(図1)。
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Windows 10上に専用のクライアントソフトウェアをインストールして使う。クラウドサービスにアクセスできる場合に限り、デスクトップ環境やユーザーデータにアクセスできる。オフライン設定をしておけば、クラウドにアクセスできない環境でも、USBメモリーなどの外部ストレージを使って秘密分散できる。
Windows上に作られる仮想ドライブ(ZENMUドライブ)が、秘密分散の対象となる。「Eドライブ」などのドライブレターを付けて運用できる。ファイルをZENMUドライブに保存するだけで、データを分散保存できる。
今回の新版では、仮想ドライブ(ZENMUドライブ)に作成できるフォルダの最大数を、4から20に変更した。さらに、容量30GBを超える仮想ドライブを作成できるようにした。これらによって、より多くのデータを保護できるようにした。
新版ではまた、クラウド上の管理サーバーにログインする際のセキュリティを高めた。まず、クラウドサービスに管理者アカウントでログインする際に、SMS認証を必須とした。さらに、クラウドサービスの管理者メニューにアクセス可能なIPアドレスを、指定されたものに制限する機能を用意した。
新版ではさらに、オフライン設定時にクラウドストレージの代わりに使えるオフラインストレージの種類を増やし、新たにiPhoneをオフラインストレージとして使えるようにした。専用のアプリケーション「ZenmuBLE」をiPhoneにインストールして利用する。iPhoneとはBluetoothで通信する。