日本人は基本的に群れたがる特性がある。学生のときから群れ、社会人になって、そしてシニアになっても変わらない。根底にある群れの心理はいったいどこから来るのか。群れの弊害のような事象を多く見かけるので、突き詰めて考えてみた。
日本人には他国に見られない、深いおもてなしの精神や寛容な宗教観などすぐれた特性がある。だが他国にはあまり見られない弱点の特性もある。その1つが群れたがるという習慣であり、「日本人は群れる」ということに定評がある。現在進行形の首相選びに、そのことが如実に表れている。群れを作り、いかに群れを拡大するかに心血が注がれる。新聞やテレビなどのマスメディアは疑問を呈することなく、それを当然のこととして報道する。
国会議員に限らない。国内外を問わず団体行動が目立つし、留学生や駐在員など在外の日本人が群れることを指摘する声も少なくない。日本人は本来集団行動や群れることが好きなのだろうか。日本人のメンタリティとして群れることはが安心で安全な行動なのだろうか。その群れの心理を筆者なりに紐解いてみたい。
日本人に見られる群れる心理
日本人の群れる習慣については、いろいろな説がある。1つが農耕民族だったからというものだ。狩猟民族より群れた生活は有利であり、群を守る村八分という慣習もあったが、それは遠い話。農耕から工業へ、そして情報へと社会が変遷して久しい。島国で外部の刺激や脅威を受けなかったからという説もある。しかし、島国だからといって群れる必要はないし、外部からの脅威があった方がむしろ群れる安全メリットがある。宗教観だという説もある。日本の宗教観は古来の神道を軸として、極めて寛容な宗教観を持っており、むしろ群れることとは異質な宗教文化である。
筆者の仮説は、日本独特の同調圧力がそれをもたらしたというものである。コロナ禍でも同調圧力が顕著に現れ、“自粛警察”や“マスク警察”のように他人に対して自由を許さない心理も同根である。
典型的な群れである政党の派閥は、同調圧力で異なる見解を許さない。子供であっても皆と同じようにしていないと、仲間外れになったり異端扱いされたりするから、親も同調することを勧める。目立たず、同じことをする行動特性が、独特の価値観を生み出したように思えるのだ。「和をもって尊しとなす」の価値観が、いつぞや「和」から「同調」に変わってしまった。
このような強い同調圧力はどこからきたのか。筆者は同質を求める教育制度から発現しているように思う。制服や持ち物ばかりではなく、校則や集団行動での均一・同質を求められる。多感な幼少期における長い集団生活の中で、同調圧力によって群れる習慣が染み付いてしまうようだ。これは機会平等ではなく、見た目平等なだけであって、個性を伸ばすどころか潰してしまうことになる。
●Next:群れる習慣から来る弊害、今、必要なのは「孤独力」だ
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