[ユーザー事例]
データマネジメントあってこそのデータドリブン経営─第一生命情報システム
2020年10月27日(火)阿久津 良和(Cactus)
第一生命がデータドリブン経営を加速させている。グループのITシステムソリューションや事務サービスの開発た運用を担う第一生命情報システムは数年掛けてそのための組織体制とデータ活用基盤を整えて、本格的な活用をスタートさせている。本稿では、インフォマティカ・ジャパンのプライベートイベント「Informatica World Tour Virtual 2020」のセッションに登壇した、同社デジタル推進部 データサイエンティストの塩澤北斗氏が語った内容を紹介する。
データマネジメント室とデータ活用基盤「DMAP」
第一生命は2019年度よりデジタルトランスフォーメーション(DX)を掲げ、グループのITを担う第一生命情報システム(略称:DLS)はDXの取り組みの中核となるデータドリブン経営を実現するためのインフラを着々と整えてきた。
2019年4月にグループの横断的なデータ戦略策定やデータ分析を推進する「データマネジメント室」を第一生命本社内に設置。CoE(Center of Excellence)への発展を目指して組織の拡充を図ってきた。2020年8月時点では本社から8名、第一生命情報システムから4名、外部のコンサルティング企業から10名の構成で業務に従事している。
2020年6月には、Microsoft Azureで構築したクラウド基盤「ホームクラウド」の運用を開始している。セッションスピーカーを務めた第一生命情報システム デジタル推進部 データサイエンティストの塩澤北斗氏(写真1)は「顧客の契約情報を格納する基幹系システムと、外部との情報連携やデータ分析などを担うクラウド環境のハイブリッドを目指している」と説明した(図1)。
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多様な役割を担う第一生命のホームクラウドの中に、今回構築した「DMAP(Data Management Analytics & Platform)」がデータ活用基盤として位置づけられている。社内外から収集したデータに対して2段階の加工を施し、データマート経由で必要に応じて活用している(図2)。
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第一生命情報システムはデータ活用の基本方針として、定めたデータガバナンスに基づく収集や蓄積、探索、抽出・加工といった、データ活用の前段プロセス、つまりデータマネジメントを特に重視している。「グループ横断型のデータ収集や、個人情報保護法の改正を見据えて、あらゆるデータの流れを可視化することと、エンドユーザー側での活用容易性の観点」(塩澤氏)しから導入する製品を検討した結果、Informaticaを選択した。
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