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“全社プロジェクト化”でデータ活用基盤を構築─オートバックスセブンのCASE時代に向けたアクション

2021年3月4日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

オートバックスセブンが、来たるCASE時代に向けてデータ活用を推進する部門横断プロジェクト「データマネジメントセンタープロジェクト」を運営している。情報基盤の構築にあたっては全社プロジェクト化が必要だと説いている。2021年3月4日、JDMC主催の「データマネジメント2021」のセッションに登壇したオートバックスセブン IT戦略担当 兼 ネット事業担当 執行役員の則末修男氏が同社の取り組みを紹介した。

写真1:オートバックスセブン IT戦略担当 兼 ネット事業担当 執行役員の則末修男氏写真1:オートバックスセブン IT戦略担当 兼 ネット事業担当 執行役員の則末修男氏

 オートバックスセブンの主力事業は、事業規模の約8割を占めるオートバックス事業である。1970年に第1号店を出店し、現在では635店舗(海外45店舗)を運営している。オートバックスでは、カー用品を販売するほか、車検などのメンテナンス事業を提供している。

 同社は、顧客接点から得られる情報を活用するため、データ活用基盤の構築に取り組んできた。同社 IT戦略担当 兼 ネット事業担当 執行役員の則末修男氏(写真1)は、データ活用基盤を構築するためのポイントとして、情報基盤の重要性を経営に理解させることと、データ活用プロジェクトを全社プロジェクト化して社員からの支持を得ることが大切だと説く。

CASE時代の課題を社外と連携して解決

 講演の冒頭では、オートバックスセブンが情報基盤を構築した背景として、自動車業界の動向を説明した。現在の自動車業界はCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング/サービス、電動化)がキーワードであり、エコや安全性が進んでいる。CASEの下で、オーナーカーが減り、部品点数も減るなど、モビリティサービスの効率化が進む。

 CASEが進んだ世界では、自動車のメンテナンスの需要も高まる。車齢は以前の9~12年から、現在では12~15年に伸びている。また、自動運転が進むほど、整備の需要が高まる。自動車に長く乗るようになり、自動運転も進むと、頻繁にメンテナンスする必要が出てくる。

 このように、CASE時代には、これまでにない課題が出てくる。オートバックスの店舗だけでは、こうした課題を解決できない。こうした背景から「複数のビジネスネットワークを連携させる必要がある」と則末氏は説明する。

 則末氏は、自動車業界の課題を解消するために連携させるべきビジネスネットワークとして、カー用品販売ネットワーク、ディーラーネットワーク、整備ネットワーク、顧客とのつながりを高めるオンラインネットワーク、――などを挙げている。

社外との事業連携にはデータ共有/活用基盤が必要

 複数のビジネスネットワークを連携させてビジネスを成長させるために必要な機能として、まずはビジネス基盤を強化しなければならない、と則末氏は説く。「ビジネス基盤がなかったら、それぞれのビジネスネットワークや各事業がサイロ化する。ビジネスネットワークから得たものを各事業に反映させられない」(則末氏)。

 ビジネス基盤の中でも、特にデータを活用するための情報基盤が需要だと則末氏は言う。それぞれのビジネスネットワークから得られる顧客接点を情報化(知識化)して流通させることで、それぞれの事業に直接的に貢献できるようにする。

 利用する情報の例として、購買情報や会員情報、保有車両情報、適合情報、メンテナンス履歴、車検履歴といった定型情報のほかに、顧客の興味や趣味、買わなかった情報、接客情報といった非定型情報がある。これらを活用できるようにする。

 ビジネスネットワークの連携によって、あらゆる顧客接点の情報を蓄積して活用できるようにする。オートバックスセブン社内では、主に非定型情報を活用して、個人の嗜好に基いた施策を実行するなど、PDCAを実施してコンバージョン率を向上させる。

●Next:情報基盤の具体的な構築方法と、成功させるポイント

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