キヤノンITソリューションズは2021年5月18日、製造業向け生産管理パッケージソフトウェア「mcframe原価管理」のオプションとして、「損益管理テンプレート」を提供開始した。食品製造大手のマルハニチロと共同開発した損益管理機能をテンプレート化したもの。価格はオープン。
「mcframe」は、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)が開発した製造業向け生産管理・原価管理・販売管理パッケージソフトウェアである。「mcframe 原価管理」は、実際原価、標準原価、予算原価、実績原価の4つの原価を管理するmcframeの原価管理モジュールである。原価の計算だけでなく、原価の管理によって事業戦略につなげられるように支援するとしている。
今回提供を開始した「損益管理テンプレート」は、マルハニチロによる原価管理や損益管理の手法や帳票をキヤノンITソリューションズがテンプレート化したものである(図1)。テンプレートの導入によって、マルハニチロによる損益管理のノウハウを得られる。また、テンプレートの導入過程で損益管理の現状とあるべき姿のギャップを分析できるので、実施すべき業務改革の指針を打ち出しやすくなる。
拡大画像表示
テンプレートの特徴の1つは、生産工場別の生産性指標をレーダーチャートで表示できるダッシュボードを備えることである。原価差異分析、稼働状況、歩留まり・能率、原材料単価差異、在庫金額の情報を、チャートやグラフ形式で確認できる。
工場レポートも提供する。製造工場の詳細な損益概況と生産・販売の進捗状況を確認できる。損益のシミュレーションもできる。特別な分析システムや帳票ツールがなくても、Excel上で損益表を出力できる。
テンプレートの導入効果として、原価計算と定型帳票を自動で作成できる。これにより、予定損益からのブレ理由(差異原因)を、迅速かつ的確に把握できる。また、見込みの損益、締め後の損益を、単品積み上げで算出できるので、それぞれの数値につながりが生まれ、損益の信頼性、透明性が向上する。