大塚商会は2021年6月28日、製造業向けの生産管理クラウドサービス「生産革新Wun-jin(ウンジン) SMILE V Air」を発表した。同年7月19日に提供開始する。多品種小ロット生産の中小製造業における生産管理の効率化を支援する。価格(税別)は5IDで月額3万5000円からで、販売目標として初年度100社を掲げる。
大塚商会の「生産革新Wun-jin SMILE V Air」は、多品種小ロット生産で、加工を中心とする中小製造業向けのシステムである(図1)。OSKの生産管理システム「生産革新ファミリー」の「生産革新Wun-jin SMILE V」を、大塚商会が管理・運用しているクラウド環境から「SMILE V Air」の新ラインアップとして提供する。
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これまで生産管理システムの導入が難しかった中小製造業に対して、システム活用と業務効率化を支援する。繰り返し使用しない品目のマスターは、登録が不要ですぐに運用が始められる。
工程進捗や負荷を確認しながら、納期回答や、製造指図書・注文書の発行、売掛・請求、買掛・支払の一元管理を行う。モノづくりにおける、社内での円滑な情報共有が可能になり、生産性向上と競争力強化につながるとしている。
クラウド型運用のため、サーバーなどの初期費用を抑えて利用を始められる。大塚商会の専任技術スタッフによるオンライン指導やサポートにより、社内に専任技術スタッフを要せず、管理負荷を軽減するとしている。
OSKの生産革新ファミリーは、中堅・中小製造業向けの業種・業態に特化した生産管理パッケージシステムの総称で、SMILE Vのラインアップとして提供している。大塚商会は、製造業の生産管理製品に精通した専門組織「製造SP」により、開発、プロモーション、コンサルタント、営業、サポートが、生産革新ファミリーを中心にサポートしている。
V Airは、DX統合パッケージ(基幹業務製品SMILE Vシリーズおよび統合型グループウェアeValue Vシリーズの統合版)を、大塚商会のクラウド環境から提供するサービスである。
製品投入の背景として大塚商会は、中小製造業ではシステムの専任担当者が不在のケースが多いことや、システム導入の初期投資に多くの費用をかけられないこと、小規模企業に適したシステムが少ないことなどから、生産管理システムの導入が進んでいない状況を挙げる。「生産管理業務において、担当者ごとに属人的に管理しているなど、社内での情報共有に課題が見受けられる」(同社)