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IBCのシステム監視ツール「System Answer G3」に未来予測オプション、キャパシティ予知や昨対比較

2021年8月6日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

アイビーシー(IBC)は2021年8月6日、ネットワーク/システム監視ソフトウェア「System Answer G3」に、未来を予測する新機能(キャパシティ予知、昨対比較、変動検知)を追加すると発表した。これらの新機能は、System Answer G3のオプションとして同年9月から順次リリースする。価格は、キャパシティ予知と昨対比較を合わせてSystem Answer G3基本ライセンスの20%、変動検知機能は無料で提供する。System Answer G3の価格(税別)は、2000項目で年額59万4000円から。

 アイビーシー(IBC)の「System Answer G3」は、ネットワーク/システム監視ソフトウェアである。SNMPマネージャ機能を中核に、WMI監視、アプリケーションのレスポンス監視、対象システムにログインした状態でのプロセス監視、Syslog監視、APIを介した仮想化基盤やクラウドの監視、IPMIによるハードウェア監視など、さまざまな方法でデータを取得する。

 今回、オプション機能として、未来を予測する新機能(キャパシティ予知、昨対比較、変動検知)を追加した。従来は事後対応が中心だったシステム運用のありかたを、プロアクティブな事前対応に変えられるとしている。

リソース使用量がしきい値を超える時期を予測

 「キャパシティ予知機能」では、ディスク容量やメモリー使用率などのトレンド(傾向)から、最大値やしきい値を超える時期を予測し、アラートを通知する(図1)。リソース使用状況が3カ月~1年先に限界を迎えてシステム障害が発生することを事前に知ることで対策を講じられる。

図1:キャパシティ予知機能の概要(出典:アイビーシー)図1:キャパシティ予知機能の概要(出典:アイビーシー)
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 従来の障害対応は、障害発生後にいかに早く障害復旧ができるかという点に主眼を置いていた。しかも、障害復旧時間のほとんどは、障害箇所の特定に費やしていた。今回リリースするキャパシティ予知機能では、長期的な観点で特定のリソースに障害が発生する日時を予測する。

 長期のトレンドでは十分なリソースを確保していると想定していても、実際には新システムのリリースや多様な働き方などによって、短期間にトレンドが急激に変化することも稀ではない。キャパシティ予知機能では、サンプリングデータとして平均値や最大値を選択可能であり、サンプリング期間も長期、中期、短期など任意の期間に設定でき、高い精度での予測を可能にしている。

昨年と今年のデータから将来月の予測値を算出

 もう1つの未来予測機能である「昨対比較機能」は、昨年の月別の実績値と今年の経過月の昨対平均倍率を算出して掛け合わせることにより、将来月の予測値を算出する(図2)。この予測値がしきい値を超過する際にアラートを通知する。主に、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などにおいてリソースの最大値/しきい値を超えないかを判断できる。

図2:昨対比較機能の概要(出典:アイビーシー)図2:昨対比較機能の概要(出典:アイビーシー)
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 生活様式の変化による在宅時間の増加に伴い、新製品のキャンペーン企画やクリスマスセール、年末年始セール時など、Webサイトに想定以上のアクセスが集中し、動作が重くなったり、Webサイトがダウンしてしまい多額の機会損失に見舞われる事例が多発している。

 昨対比較機能では、去年から今年にかけてのサイト利用者数の増加によるアクセス数やCPU、メモリー使用量などの増加分を予測して、今年のキャンペーン時に必要なリソース必要量を判断し、不足する可能性があればアラートを通知する。運用者は、事前にスケールアウトなど、十分な対策を行えるようになる。

●Next:エンジニアの負荷を軽減する「変動検知機能」の詳細

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