矢野経済研究所は2021年9月7日、国内のクラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場の調査結果を発表した。2020年のクラウド基盤サービス市場規模は、前年比123.2%の8500億円に達した。環境変化に対して迅速に対応可能なシステム環境への需要が拡大し、市場が順調に成長している。2018年から2024年(予測)までのCAGR(年平均成長率)は23.1%と見積もっている。
矢野経済研究所の調査によると、2020年の国内クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場規模は、前年比123.2%の8500億円に達した(図1)。2018年から2024年(予測)までのCAGR(年平均成長率)は23.1%と見積もっている。

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「2020年の同市場は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、サービス分野によっては一時的に成長が鈍化した。市場を牽引してきた基幹系システムのクラウドへの移行は、長期的かつ大規模であることから、停止や延期になったものもある。ただし、予算の確保ができていた企業では予定通りに進み、市場への大きな影響はなかった」(矢野経済研究所)
前年比123.2%の成長の要因について同社は、リモートワークの進展や、デジタル変革などの変化に迅速に対応できるシステム環境の構築、動画サイトやECサイトのトラフィック急増によるオーケストリング機能への需要増加などを挙げている。
同社はクラウド関連のITアウトソーシングについても調査している。SIベンダーやコンサルティング事業者などがユーザー企業のクラウド内での設計、構築、移行、監視、運用(導入/活用支援を含む)業務を受託するアウトソーシングサービス、クラウドマネージド(運用)サービスの市場動向をまとめている。
同社はクラウドマネージドサービス市場も順調に成長すると見て、2025年には7850億円に達すると試算している。要因として、デジタル変革の推進やセキュリティに対する需要が増え、クラウド利用が進展することなどを挙げる。