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[新製品・サービス]

Concurに経費申請のミス/不正を検知して差し戻す新機能、人力の承認作業を不要に

日本IBMとデロイト トーマツ リスクサービスが連携製品を販売

2021年12月7日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

コンカーは2021年12月7日、出張・経費申請のミスや不正を機械的に検知して差し戻すSAP Concurの新機能の開発・提供において、日本IBMおよびデロイト トーマツ リスクサービスと協業したと発表した。両社がSAP Concurと連携した申請ミス/不正の検知機能をユーザーに販売する。価格は個別見積もりで、両社とも初期費用は「数100万円程度から」としている。

 コンカーは、経費精算クラウド「Concur Expense」をはじめとする出張・経費管理クラウドサービス群「SAP Concur」を提供している。同社は経費申請の手間や負荷の軽減を目的に、法人クレジットカードや電子マネー決済と連携して申請データの手入力を廃する機能や、紙の領収書を電子化して申請を簡素化する機能を提供している。「経費精算はあらゆるビジネスパーソンによって最も付加価値のない仕事。社会的使命として、経費精算のない世界をつくる」(同社、図1関連記事経費精算クラウドのコンカーがPayPayと連携、経費計算のデータ入力を省力化)。

図1:経費申請の手間や負荷を軽減する機能に注力している(出典:コンカー)図1:経費申請の手間や負荷を軽減する機能に注力している(出典:コンカー)
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 今回新たに、経費精算の人手作業を廃するのに未解決だった課題を解決すべく、日本IBMおよびデロイト トーマツ リスクサービスと協業した。両社は、SAP Concurの連携製品として、申請ミスや故意の不正申請を機械的に検知する機能を提供する(画面1)。

 連携機能は、申請データの人手による承認作業をなくすことが狙いである。コンカーの標準機能でも入力データが正しいかどうかをある程度分析できるが、2社のサービスを活用することで、より高度な不正検出が行える。コンカーは、今後4年間でSAP Concur導入企業の半数以上への導入を目指す。

画面1:経費申請画面の例。領収書の画像データを登録して電車代を申請しようとしている(出典:コンカー)画面1:経費申請画面の例。領収書の画像データを登録して電車代を申請しようとしている(出典:コンカー)
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 日本IBMは「経費精算不正検知ソリューション」の製品名で販売する(図2)。コンカーの申請ワークフロー内で申請ミスや不正申請を自動でチェックし、問題があった場合は差し戻せる。さらに、蓄積した申請データを後から分析する使い方もできる。AI-OCR(光学文字認識)による領収書の突合、領収書の使い回しチェック、入退館データなどを利用した出張確認などの機能を備える。

図2:日本IBMとデロイト トーマツ リスクサービスが提供する不正検知サービスの概要(出典:コンカー)図2:日本IBMとデロイト トーマツ リスクサービスが提供する不正検知サービスの概要(出典:コンカー)
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 例えば、領収書の画像から読み取った金額と、申請データの入力金額が異なることを検知する。また、すでに提出済みの領収書を再度提出しようとしていることを、画像とOCRデータから検知。入退館データや勤怠データなどに出張の痕跡が見られなかった場合は、出張費の根拠となる出張実績の証跡を出すように促す(画面2)。

画面2:ユーザーが経費を申請した際に出張・経費管理クラウドのバックエンドで「経費精算不正検知ソリューション」(日本IBM)が動作している様子(出典:コンカー)画面2:ユーザーが経費を申請した際に出張・経費管理クラウドのバックエンドで「経費精算不正検知ソリューション」(日本IBM)が動作している様子(出典:コンカー)
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 デロイト トーマツ リスクサービスは、「リスク アナリティクス オン クラウド」の製品名で販売する。蓄積した申請データを後から分析する使い方に対応する。企業内の連結財務データ、販売や購買などの各種取引データを読み込み、リスクシナリオと照らし合わせ、リスクをスコアリングする。

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