矢野経済研究所は2022年1月28日、デジタル人材関連サービス市場(デジタル人材育成・研修サービス市場、デジタル人材派遣サービス市場、デジタル人材紹介サービス市場)を調査し、各分野の市場動向、参入事業者の動向、将来展望を発表した。2020年度のデジタル人材関連サービス市場規模(3市場計)は前年度比6.5%増の9678億円だった。デジタルシフトのさらなる進展によるIT・デジタル人材需要のより一層の高まりによって、市場は拡大するとしている。
矢野経済研究所の推計によると、2020年度のデジタル人材関連サービス市場規模(デジタル人材育成・研修サービス、デジタル人材派遣サービス、デジタル人材紹介サービス3市場の合計)は、前年度比6.5%増の9678億円だった(図1)。
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同社によると、IT・デジタル技術を有する人材需要の拡大とともに、当該市場は拡大傾向にある。背景として、近年、IT・デジタル技術の活用による業務プロセスの改善・効率化、ビジネス変革などの必要性が高まっている。
3市場のうち、IT・デジタル領域の人材育成・研修サービスは、コロナ禍の影響によって2020年度は減少した。一方、同領域の人材紹介サービスおよび人材派遣サービスは、伸長鈍化となったものの、旺盛なIT・デジタル人材需要に下支えられ、当該市場は拡大基調を維持している。
2021年度は、3市場合計で前年度比11.2%増の1兆758億円を見込む。2020年度に見られた、コロナ禍の影響による人材育成・教育や採用などへの投資控えからの反動で、大幅な伸長が見込まれるとしている。今後においては、IT・デジタル人材領域の研修・派遣・紹介の全ての分野において堅調に推移していく見通しだとしている。
3分野それぞれの動向として、まず、デジタル人材育成・研修サービスは、コロナ禍での研修スタイルが確立されたほか、製品・サービスのデジタルシフトやDXの推進などを背景に今後も堅調に推移する見込みとしている。
デジタル人材派遣サービス市場は、2020年度後半から人材需要が回復基調となることから、今後もIT・デジタル人材不足によって再び拡大推移する見込みである。
デジタル人材紹介サービス市場は、次世代通信技術の普及、IoTの浸透によるデジタル社会の到来による製品・サービスにおけるソフトウェア化の進展に加え、IT・デジタル技術の活用による業務プロセスの改善・効率化やビジネス変革の必要性が高まっていることを背景に、コロナ禍においてもプラス成長を維持している。今後も拡大する見込みとしている。