エレコムは、営業活動フェーズを可視化するBIダッシュボードを構築した。SFAツールと連携させた2つのダッシュボードを運用しており、30人近くの営業マネージャが営業指標や進捗状況を同一画面で確認・分析している。BIダッシュボード「MotionBoard」を提供したウイングアーク1stが2022年2月2日に発表した。
エレコムは、営業活動フェーズを可視化するBIダッシュボードを「MotionBoard」で構築した(画面1)。SFAツールとMotionBoardを連携させ、2つのダッシュボード(クロージングオペレーション、活動KPI)を運用している。現在、30人近くの営業マネージャが、営業指標や進捗状況を同一画面で確認・分析しており、最新かつ最適な製品を提案する営業活動に活用している。
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クロージングオペレーションのダッシュボードによって、売り上げ実績から数字の着地見込み、目標までの差分を一目で把握できるようになった。活動KPIダッシュボードによって、活動件数、案件保有数、商談件数などの受注前の行動を可視化し、活動が売り上げにつながる動向を定点的にチェックできる体制を構築できた。
レポート作成の工数も削減した。レポートをワンクリックで表示できるようになったことから、のべ80人の営業担当がそれぞれ週20分かけていた時間がゼロになった。営業全体では、月100時間以上のレポート作成工数を削減した。
MotionBoardを選択したポイントは2つある。1つは、テンプレートの活用によって、要件定義から構築までを短期間で済ませること。今回は、ツールの検討開始から9カ月、キックオフから3カ月でダッシュボードの実装を完了した。もう1つは、作業の負荷が高いデータ加工作業(データプレパレーション)を委託できることである。
なお、エレコムの法人営業部門は、以前からSFA(営業支援)、MA(マーケティング自動化)、名刺管理などのシステムを導入してきた一方で、各サービスのデータを一元的に把握できていなかった。複数のレポートを手動で集計・統合する工数と労力もかかっていた。各営業担当は独自のレポートで個別に分析していたため、営業プロセス全体における課題がどこにあるか判断しづらく、定点的なKPI観測や、部門ごとの比較分析が難しくなっていた。
こうした背景からエレコムは、各システムのデータを統合して可視化できるツールとしてMotionBoardを導入した。導入にあたっては、テンプレートの導入からデータプレパレーションまでを支援するSIサービス「Data Empowerment Solution(DES)」を活用した。