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ヴイエムウェア、Javaアプリケーションをコンテナに変換する「Application Transformer for VMware Tanzu」をリリース
2022年2月7日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
ヴイエムウェアは2022年2月7日、コンテナ変換ツール「Application Transformer for VMware Tanzu」の出荷を開始したと発表した。VMware vSphere上で稼働するJavaアプリケーションをコンテナに変換するツールである。VMwareのKubernetes基盤「VMware Tanzu Standard Edition/Advanced Edition」および「VMware Cloud on AWS」を利用しているユーザーに向けて無料で提供する。
ヴイエムウェアの「Application Transformer for VMware Tanzu」は、VMware vSphere上で稼働するJavaアプリケーションをコンテナに変換するツールである。大きく、仮想環境で動作しているJavaアプリケーションを検出・発見・棚卸し、アプリケーションの構成や依存関係の分析、アプリケーションをコンテナイメージに変換の3つの機能を提供する。
仮想環境で動作しているJavaアプリケーションを検出する。VMware vCenter Serverにアクセスして仮想マシンをスキャンし、フォルダ構造、リソースプール、アプリケーション名、プロセスなどの情報を収集する。アプリケーションを識別するシグネチャデータを使い、標準で200種類以上のアプリケーションを検出する。自社で作成したアプリケーションについてカスタムシグネチャを作成することも可能である(画面1)。
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アプリケーションの構成や依存関係を分析する。vCenter Server APIを利用して仮想環境を解析するとともに、VMware vRealize Network Insightを活用してアプリケーションのトポロジ情報を自動生成する。JavaアプリケーションサーバーのApache TomcatとOracle WebLogicに対しては、仮想マシンを解析し、より詳細な情報を取得する。これらの情報は、どのアプリケーションを優先してコンテナ化するかを決めるための判断材料となる(画面2)。
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アプリケーションをコンテナイメージに変換する。サーバーの種類、アプリケーション名、プロセス、ソフトウェアのバージョン、ディレクトリの場所、起動コマンドなど、分析段階で収集した詳細な知見に基づいてOCI準拠のコンテナイメージを作成する。こうして、Dockerfile、OCI準拠のコンテナイメージ、Kubernetesマニフェストファイル、VMware Tanzu Kubernetes Grid環境で使うシークレット生成スクリプトなどを生成する(画面3)。
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ヴイエムウェアは提供の背景について、「企業が運用しているJavaアプリケーションには、10年以上動いているなどオープンレガシー化しているものが数多く存在していることを挙げる。「一般的な企業は数十から数百のアプリケーションを運用しているが、これらを棚卸しし、実装の詳細を収集してコンテナ化することは難しい。仮想環境のJavaアプリケーションのコンテナ化を支援するツールの提供でこの問題を解決する」(同社)。