メディケア生命保険は、保険金・給付金支払業務をAI-OCRで効率化した。帳票をスキャンして作成したPDFファイルをAI-OCRでテキスト化することで、給付金の支払いに要する日数を短縮する。2022年2月7日から業務で利用している。今後はさらに、BRMSと連携させて査定の一部を自動化する予定である。これらの仕組みを備えた業務パッケージ「生命保険給付金支払いプラットフォーム」を提供したアシストが2022年2月16日に発表した。
メディケア生命はこれまで、保険金・給付金支払業務において、領収証、診療明細書、調剤明細書のパンチ入力を、1次担当者、2次担当者、修正担当者の3人体制で実施していた。
今回、バッチ処理とAI-OCR(光学文字認識)を組み合わせることで、帳票をスキャンして作成したPDFファイルを対象に、大量データの送受信とテキスト化の仕組みを整えた(図1)。給付金の支払いに要する日数を短縮するのが狙いである。
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今後はさらに、支払査定用のルールエンジンとしてBRMS(業務ルール管理システム)を導入する。これにより、査定の一部を自動化する予定である。支払査定担当者がこれまで査定にかけていた事務負荷を削減する。
システムの構成要素として、AI-OCRソフトウェアの「スマートOCR診療明細書」(アイリックコーポレーションが開発・提供)や、BRMSソフトウェアの「Progress Corticon」(アシストが提供)などを利用する。
「保険加入者が保険会社に請求連絡をしてから給付金を受け取るまでの時間が長い。請求書類を取り寄せ、届いたものを必要書類とともに返送し、保険会社に到着後5営業日以内に支払う、というフローが一般的だが、書類のやりとりだけで数日を要する」(同社)。