伊藤忠商事が業務効率化を目的に、ABBYYのAI-OCR(AI光学文字認識)を導入した。RPAとAI-OCRを組み合わせることで、紙の帳票での取引が多い受発注業務全体にかかる時間を年間で約4万9000時間削減した。米ABBYYの日本法人、ABBYYジャパンが2022年5月31日に発表した。
伊藤忠商事は以前より、全社でデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する中で、紙の帳票での取引が多い受発注業務にRPAを活用していたが、それだけでは効率化が難しかったという。
業務効率化に向けて、同社はAI-OCRに注目し、複数製品の検証を行った。その結果、ABBYYのAI-OCRが、簡単な固定帳票から複雑な非定型帳票まで対応でき、カスタマイズ性が高いと判断し、導入を決定した。「クラウドだけでなくオンプレミスにも対応しているため、当社で必要なセキュリティレベルの観点から運用しやすいと考えた」(同社)。
ABBYYのAI-OCRをRPAと組み合わせることで、受発注業務全体にかかる時間を年間約4万9000時間削減することに成功。「受発注業務だけでなく貿易関連関連業務でも生産性が向上し、他部門の決算書分析業務などでも工数を削減するなど成果が出ている」(同社)としている。
伊藤忠商事 IT・デジタル戦略部 DXプロジェクト推進室の山地雄介氏は、「グループ企業のDX推進にもAI-OCRを活用していきたい」とコメントしている。