コニカミノルタとキンドリルジャパンは2022年6月10日、スマートファクトリー/スマートシティ領域における画像IoT事業で協業すると発表した。コニカミノルタの画像IoTサービス群と、キンドリルジャパンのITインフラ構築・運用スキルを組み合わせて、共同でユーザー企業への提案やシステム構築支援を行う。
コニカミノルタと、米キンドリル(Kyndryl)日本法人のキンドリルジャパンは、スマートファクトリー/スマートシティ領域における画像IoT事業で協業する。コニカミノルタの画像IoT製品・サービス群「FORXAI」と、キンドリルジャパンのITインフラ構築・運用スキルを組み合わせて、共同でユーザー企業への提案やシステム構築支援を行う。
カメラやデバイスで取得した画像・動画情報を一元管理し、これにAI処理を加えた情報を各拠点や組織に共有するシステムを構築する。特徴は、現場側(エッジ)で情報を処理する仕組みによって、システム内でやりとりするデータ量を抑えながら、データ量に応じたITインフラ環境を提供することである。これにより、画像処理のせいで既存システムが停止してしまうリスクを減らす。
コニカミノルタは、FORXAIを中核に、エッジデバイスや画像処理AI技術、ビデオ管理システム(VMS)などを提供する。キンドリルジャパンは、これらを組み込んだITインフラを提供して運用する。
協業の背景について両社は、製造現場の設備保全などの用途で画像IoT技術のニーズが高まる一方で、画像や動画を利用すると大容量のデータの送受が発生し、稼働中のITシステムに負荷をかけてしまう問題を挙げる。また、拠点や組織ごとに独立した仕組みでカメラやデバイスを運用するやり方が、情報共有や意思決定を遅らせる原因になっているという。
コニカミノルタは、同社の画像IoT技術を使うと、画像入力デバイスから得た画像・動画と各種センサーデータを統合したうえで、AI処理によって現場サイドでリアルタイムに認識・判断を行えるようになるとしている。
一方のキンドリルジャパンは、日本IBMの事業部門の時代から、基幹系システムのアウトソーシングビジネスを30年以上行ってきた実績がある。加えて、ハイブリッド/マルチクラウド環境への移行や運用管理、IoTやAIを用いたデジタル基盤でスキル・技術力を持つとしている。
協業によって提案する、製造業向けのユースケースは以下のとおり。
- 画像による火災・労働災害防止
- サーマルカメラやセンサーを使った温度異常の検知、動体検知や骨格検知による危険エリアへの侵入通知、防爆カメラを利用した防爆エリアの監視など、カメラとVMSを利用して一元監視を実現するとともに、ダッシュボードを作成する。現場の異常をすぐに検知できることで、安全品質の向上と防止策の高度化を図る
- 設備保全のさらなる高度化
- カメラとVMSで映像を蓄積し、通常と異なる動作をAIで検知してアラートを上げる。生産設備の性能低下による不良品発生の防止や、故障の予知に活用する。これにより、業務の効率化や生産性向上を図る