アイ・ティ・アール(ITR)は2022年6月10日、国内の運用自動化市場における規模の推移と予測を発表した。障害対応、プロビジョニング、ソフトウェア配布などのシステム運用業務を自動化する製品・サービスが調査対象である。2021年度の売上金額は49億8000万円で、前年度比13.4%増となった。2022年度も同19.1%増と引き続き高い成長を見込む。CAGR(2021~2026年度)は17.4%で、2026年度には111億円に達すると予測している。
アイ・ティ・アール(ITR)は、国内の運用自動化市場における規模の推移と予測を発表した。調査の対象は、システム運用業務(障害対応、プロビジョニング、ソフトウェア配布など)を自動化する製品・サービスである。手順書を自動実行するRBA(Runbook Automation)ツールや自律学習を利用した運用管理基盤を含んでいる。
同調査によると、2021年度の売上金額は49億8000万円で、前年度比13.4%増となった。2022年度も同19.1%増と引き続き高い成長を見込む。同市場のCAGR(2021~2026年度)は17.4%、2026年度には111億円に達すると予測している(図1)。
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同市場をパッケージとSaaSの提供形態別に分類して見ると、SaaS市場の2021年度の売上金額は14億7000万円で、パッケージ市場と比べるとまだ小さいが、前年度比で48.5%増と急速な成長を示している。
CAGR(2021~2026年度)を比較すると、パッケージ市場が6.0%であるのに対し、SaaS市場は同34.2%。ITRは、「2025年度にはSaaS市場の売上金額がパッケージ市場を上回る」と見ている。
「AIにシステム運用の判断を任せるのは時期尚早との意見が多く、あらかじめ取り決めた運用ルールとプロセスに基づいた運用の自動化が現実解として普及している。システム運用の自動化は、要員の工数とコストの削減、オペレーションの品質向上が期待できるだけでなく、将来的なAIOps活用の準備にもつながる」(ITR)。
発表された調査概要は、ITRが発行する市場調査レポート「ITR Market View:運用管理市場2022」に基づいている。運用管理市場の全14分野を対象に、国内58ベンダーへの調査から、2020~2021年度の売上実績と2026年度までの売上予測を掲載している。