八十二銀行(本店:長野県長野市)は、融資先企業への支援タイミングを早期に検知するAIを2022年7月8日から運用する。同行は、AIモデル作成ツール「DataRobot AutoML」とAI運用支援ツール「DataRobot MLOps」を活用することで、AI構築から運用までのAIライフサイクルを内製化した。これらAIツールを提供した米DataRobot日本法人が同年7月7日に発表した。
八十二銀行は、融資先企業への支援タイミングを早期に検知するAIモデルを開発した。AIモデルは、口座取引を中心に融資先の動態を学習して作成した。AIに支援タイミングを判断させることで、顧客が必要とするタイミングに合わせて支援できるようにした。2022年7月8日から運用する。
従来は、顧客から決算書類を徴求するタイミングで支援していた。このため、ビジネスが成長している時や、即時の支援が必要な時などに、適切な支援ができないことがあった。また、ルールベースの審査基準値を設定する作業に工数が発生し、顧客との対話や支援に十分な時間を確保できていなかった。
AIの学習には、全国の企業から集めた一般的な財務データは使わず、代わりに八十二銀行における顧客データを活用。口座の出入金記録や財務諸表など700項目のデータを匿名化したうえで利用した。「県内企業の特徴を的確に捉えることができた」(同行)としている。
画面1:「DataRobot AutoML」の画面例(出典:DataRobot)拡大画像表示
DataRobotのAIモデル構築自動化ツール「DataRobot AutoML」(画面1)を活用する。また、常に最新の経済環境変化に対応したAIモデルを運用できるように、AIモデルの稼働状況を監視し、データの経年変化や精度劣化などによる異常時にアラートを発出するツール「DataRobot MLOps」を併用する。
八十二銀行は、AIモデルの構築と運用の内製化もはたしている。同年7月1日には、同行システム部内にAI推進チームを発足。今回の融資時期の判断とは別の業務へのAIの導入・活用も見据えたAI推進体制の強化を進めている。
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