KPMGコンサルティングは2022年7月13日、AutoML導入支援コンサルティング/SIサービスを提供開始した。専門知識やスキルがなくてもマシンラーニング(機械学習)モデルの設計や構築を自動化する「AutoML」の導入を総合的に支援する。対象業務の検討から、システム構築、業務への適用、自走化に向けた支援までをカバーする。
KPMGコンサルティングは、AutoMLの導入支援サービスを開始した。AutoMLは、マシンラーニング(機械学習)モデルの設計や構築を自動化する仕組みで、専門知識やスキルがなくても、マシンラーニングを用いて予測・判定などを行うAIモデルを作成できる。売上や在庫の予測など、業界や部門を問わず企業のさまざまな業務に活用可能である。
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図1は、KPMGが提供するコンサルティング/SIサービスの概要である。AutoMLでAIモデルを作成する対象業務の検討からシステム構築、業務への適用、自走化に向けた支援までを総合的に支援する。これらのステップを通じて、業務実務者がAutoMLの知識や経験、業務変革の基盤となる課題解決手法を習得できるように支援する。また、定常的な自走化に向けた推進リーダーの選定および育成も伴走して中期的な企業の自走化を後押しする。
同社では、AutoMLツールの導入にとどまらず、ワークショップの開催や、現場のアイデアの実現性を高めるサポート、AutoMLの構築や運用、およびこれらにともなうBPRのアドバイスなどが可能としている。また、企業が抱える個別の課題に対して、特定の製品・サービスやベンダーに偏ることなく、中立的な立場で施策を立案するとしている。ステップごとのサービス内容は以下のとおりである。
- STEP1:アイディエーション
- AutoMLについてのレクチャー:座学形式で実施し、基本的理解を促す
- アイデア出し:KPMGコンサルティングが持つ検討フレームワークを用いて、業務(タスク)の対象、実現後のアクション、実現性、ビジネスインパクトなどの観点で、導入候補となる業務を検討する
- STEP 2:構築
- データの準備、データクレンジング、モデル構築と評価、評価判断とデータの見直しなどの一連の作業を伴走しながら支援する
- STEP 3:業務への適用
- 実業務への適用に向け、仮運用と本番運用へ向けた業務導入・切り替えを、伴走しながら支援する
- STEP 4:自走化に向けた高度化支援
- 業務実務者の自走化に向け、定期的な精度の評価と改善検討のフレームワークを活用した運用のモニタリング、改善の提案などを、伴走しながら支援する
- アイディエーション、構築、業務適用ならびに運用改善をリード・推進できる社内リーダーの育成を支援する
コンサルティング/SIを提供する背景として同社は、AIを用いたデータ活用において、アルゴリズムや統計学などの専門知識を持つデータサイエンティストが不足していることを挙げる。「データサイエンティストとしての知識や経験がなくても、だれもが容易にノンコーディングかつ短期間でAIモデルを構築可能なAutoMLの需要が高まっている」(同社)。