イスラエルの業務/プロジェクト管理製品ベンダーのmonday.comが先ごろ東京オフィスを開設し、日本市場での活動を本格化する。2022年10月11日に開かれた発表会には、monday.com アジア太平洋・日本地域 リージョナルバイスプレジデントのディーン・スワン氏、日本カントリーマネージャーの渡邉興司氏が登壇。世界で15万2000社、日本ではすでに500社が導入するプラットフォーム「monday.com Work OS」の特徴と、日本市場における今後の展開などを説明した。
国内500社に導入、東京オフィス開設で顧客基盤拡大へ
2014年に創業した業務/プロジェクト管理製品ベンダーのmonday.com。イスラエルに本社を置き、ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴ、ロンドン、シドニーなどグローバルに展開する同社が、東京オフィス(東京都千代田区)を開設し、日本市場での活動を本格化させる。
同社の「monday.com Work OS」は、業務管理やプロジェクト管理、ワークフローなどのアプリケーション/システム構築のためのプラットフォームである。世界で15万2000社が導入しているという。同プラットフォームがベースとなって、業務管理の「monday work management」、プロジェクト/ポートフォリオ計画・管理・コラボレーションの「monday projects」、マーケティングキャンペーン企画・実行・管理の「monday marketer」、営業向けの顧客管理「monday sales CRM」といった個別の製品をラインアップしている。
monday.comの強みを、アジア太平洋・日本地域 リージョナルバイスプレジデントのディーン・スワン(Dean Swan)氏(写真1)は次のように説明する。「IT部門ではなくビジネス部門のメンバーでも直感的に自分たちが求めるアプリケーションを組み合わせることができる、高い柔軟性を特徴としている。中小企業から大企業まで、また業種・部門を問わない形で、幅広い領域をカバーしたユースケースが世界中にある」。
ユーザーは、monday.com Work OSを構成する機能から自社に必要な要素を選択し、ノーコードでワークフローを自ら構築することができる。自社ですでに利用している既存のシステムとの連携も可能で、そのためのテンプレートが用意されている(図1・2)。また、ユースケースが多数ある領域に関しては、プロセスを事前設定したものを販売している。
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今回の東京オフィス設立以前から、国内では、日立ソリューションズ、NTTデータ グローバルソリューションズ、ギャプライズ、タレンタなどとパートナー契約を結び、エーザイ、公文教育研究会、マネーツリーなど約2年間で500社以上に製品を提供している。グローバル全体では45カ国以上で150社以上のパートナーと連携しているという。
スワン氏は、「東京で事業を開始し、アジア太平洋・日本地域での存在感を高め続けることができるのは、当社にとって喜ばしいこと。日本の顧客やパートナーの皆様と共に、チームの連携、効率性、ビジネスの生産性を高めていくことを支援していく」と抱負を語った。
業務管理ツールの重要性を訴える
monday.com は日本市場への本格参入にあたって、日本におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の進捗状況を把握する目的で、2022年9月に1000人以上の国内企業の勤務者を対象に調査を実施している。
結果を見ると、約6割の回答者が、自社において業務効率向上や世界的に進んでいるDXへの取り組みが十分でなく、過剰なソフトの導入が非効率を招いていると回答している。一方で、42.9%の回答者が、業務管理ツールが、チーム内のコミュニケーションの活性化などによい影響を与えているという。
国内の現状について、monday.com 日本カントリーマネージャーの渡邉興司氏(写真2)は、「日本企業の多くがDXに着手する一方、適切なソフトウェアやツールがなく、個々のビジネスプロセス改善のみに重点を置く企業も少なくない」と指摘した。そのうえで、DXを実現するプラットフォームを3種類に分類した図3を示し、「当社は特にサービスデリバリー、ワークマネジメントの領域で顧客を支援できると考えている」とmonday.comの立ち位置を説明した。
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●Next:国内先行事例として、トヨタグループ会社のプロジェクト管理の効率化を紹介
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