NTTデータは2022年11月16日、キャッシュレス決済基盤「CAFIS」の料金を2023年に改定すると発表した。まず、2023年1月1日付で少額決済向け料金を現状の0.3%から0.15%へと引き下げる。さらに同年12月1日付でCAFIS処理料金を現行のトランザクション単位から購買取引単位へと変更する。
NTTデータは2023年、クレジットカードを中心とした共同利用型のキャッシュレス決済基盤「CAFIS」の料金を改定する。日本のキャッシュレスにおける少額取引の増加とニーズの高まりを受けた施策として、少額決済向け料金を引き下げるとともに、CAFIS処理料をトランザクション単位から購買取引単位へと切り替える。
まず、2023年1月1日に、「決済金額に応じて0.3%」としてきた料率を「決済金額に応じて0.15%」に引き下げる。さらに、少額決済向け料金を適用する上限を「1000円以下」から「2000円以下」へと拡大する(表1)。
決済金額 | 現行料金 | 新料金 |
---|---|---|
1000円以下 | 決済金額×0.3% | 決済金額×0.15% |
1001円~2000円 | 1件あたり最大3.15円 | |
2001円以上 | 1件あたり最大3.15円 |
次に、同年12月1日からは、CAFIS処理料金を、トランザクション単位の料金から購買取引単位の料金へと変更する。1回の購買取引において、CAFISが最終的に取引を中継したカード会社からのみ料金を設定するよう改定する。
例えば、クレジットカード取引における「加盟店と契約を結んでいるカード会社(アクワイアラ:Acquirer)」と「利用されたカードの発行会社(イシュア:Issuer)」が異なるケース(NOT-ON-US取引)において、CAFISを利用した場合の処理料が変わる。
NOT-ON-US取引では従来、1回の購買取引の中で「加盟店-アクワイアラ間」と「アクワイアラ-イシュア間」の2回のトランザクションが発生し、イシュアとアクワイアラにそれぞれCAFIS処理料を設定していた。今回の改定では、1回の購買取引において最終的に中継した先にのみ(今回の例では「アクワイアラ-イシュア間」の取引におけるイシュアのみ)、CAFIS処理料を設定する。
改定の背景としてNTTデータは、キャッシュレス決済の比率が高まっており、2019年の26.8%から2021年には32.5%まで拡大していることや、クレジットカードの利用においては、少額多頻度化がより進んでいることを挙げる。「少額取引がキャッシュレス決済比率の拡大に貢献しており、この傾向は高まっていく」(同社)という。