サイバネットシステムは2022年11月17日、クラウドCAE環境「サイバネットCAEクラウド」の新バージョン3.0を販売開始した。同年12月1日から提供する。CAEアプリケーションの利用環境をクラウドサービスとして提供する。ユーザーは、リモートデスクトップ型でクラウド上のCAEアプリケーションを利用する。新版では、リモートデスクトップ接続の手段を増やし、専用アプリケーションに加えてWebブラウザからの接続に対応した。
富士ソフトの子会社であるサイバネットシステムの「サイバネットCAEクラウド」は、CAEアプリケーションの利用環境をクラウドサービスとして提供するサービスである。ユーザーは、リモートデスクトップ型でクラウド上のCAEアプリケーションを利用する。
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新版では、AWS(Amazon Web Services)版を利用している場合に限られるが、リモートデスクトップ接続の手段を増やし、専用アプリケーションに加えて、Webブラウザでも接続できるようにした。Webブラウザオプションを適用することで利用可能になる(画面1)。
従来、専用のポートで社内からクラウドに接続する必要があり、ネットワーク構成によってはポートを開ける必要があった。今回のWebブラウザ接続オプションを利用することで、Web(HTTPS)でインターネットに接続できる環境さえあれば、クラウドCAEのアプリケーション画面を操作できるようになった。
また、AWS版のクラウドCAEへの接続時に、Google AuthenticatorのOTP(ワンタイムパスワード)認証を用いた2段階認証に対応した。ポータル画面から、多要素認証の設定状況の確認、有効化、無効化を一括処理する。
加えて、AWS版だけでなくMicrosoft Azure版のクラウドCAEにおいても、サーバーOSとしてWindowsだけでなくLinux(Red Hat Enterprise Linux、Ubuntu)を選べるようにした。
なお、サイバネットCAEクラウドでは、ポータル画面から、CAEサーバーの起動・終了、CAEサーバーの新規作成、構成変更、などが行える。計算規模や用途に合わせ、CPU数、メモリーサイズ、グラフィックス性能などを自由に組み合わせて利用できる。こうして動作させたクラウド上のCAEソフトの画面を、高圧縮してクライアントへと送信することで、クラウド環境でも快適に操作可能だとしている。
動作させるCAEアプリケーションは問わない。米ANSYSのCAEアプリケーション群については、セットアップ済みの環境を用意し、メニューから選んで配備可能である。ANSYS以外にも各種CAEアプリケーションの利用実績があるが、クラウド環境で動作させるうえでは、それぞれのベンダーの許可が必要になる。