データマネジメント データマネジメント記事一覧へ

[事例ニュース]

「信頼性確保と顧客体験の向上をバイモーダル戦略で進める」─クレディセゾン

DWH/データ活用基盤にTeradata VantageCloudを採用

2022年12月12日(月)阿久津 良和(Cactus)

クレディセゾンは2021年9月に発表したデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略「CSDX VISION」で複数掲げた推進目標の1つに、「セゾンデータプラットフォーム」の構築を含めている。2024年度中に顧客や提携企業、外部企業などの重要に応じて対応するデータプラットフォームを構築し、データ活用にかかる時間短縮を目指している。2022年11月26日、日本テラデータの説明会に同社取締役 兼 専務執行役員 CTO兼CIOの小野和俊氏が登壇し、取り組みの詳細を説明した。

クレディセゾンが取り組んだデジタル化の成果

 クレディセゾンは、以前からTeradataをオンプレミス稼働で活用してきた。今回のプロジェクトでは、AWS(Amazon Web Services)で稼働する「Teradata VantageCloud Enterprise」をデータウェアハウス(DWH)として採用した。同社の取締役兼専務執行役員でCTO兼CIOを務める小野和俊氏(写真1)が日本テラデータの説明会に登壇し、取り組みの詳細を説明した。

写真1:クレディセゾン 取締役兼専務執行役員 CTO兼CIOの小野和俊氏

 小野氏は現在、同社の全セクションのデジタル化を推進している。着任当初の状況を、「ここ数年で内製開発も増えつつあるが、2019年の段階では、IT部門はあれど、コードを書けるエンジニアは私1人だった」と振り返った。

 同氏はそこから知人・友人の縁故をたどりながらエンジニアの数を増やし、2021年度は内製開発プロジェクトにかかるコストを6割(61.8%)削減。2万ページにも及びコールセンター用マニュアルを検索するシステムを構築するなど、従業員やマニュアルの品質を日々高める取り組みが功を奏したという。

 他方で、顧客の安全性を保護する不正利用未然防止率は、2019年度時点で81.4%だったのを3年半で92.5%まで高めてもいる。クレジットカードを事業にする同社にとって重要なKPIの1つであり、不正検知システムの構築でこのレベルを達成している(図1)。

図1:クレディセゾンが取り組んだデジタル化の成果(出典:クレディセゾン)
拡大画像表示

 クレディセゾンが掲げるデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略「CSDX」は、デジタル人材の育成戦略と従業員体験、顧客体験向上を相互に高める狙いがある。その一環として業務環境の改善を目的に構築する「セゾンデータプラットフォーム」の一翼を担うのが、日本テラデータの「Teradata VantageCloud Enterprise」だ。1990年代からオンプレミスのVantageを利用してきた同社だが、DXの推進とAWSを活用したクラウド移行を加速させるものとして選んでいる。

信頼性と顧客体験の実現で、モード1/2両方の要素を追求

 小野氏は、「当社はクレジットカードだけでも3600万人の顧客がいて、守るべき範囲は広い。一方で顧客体験は迅速な対応を求められ、バイモーダルにおけるモード1/モード2両方の要素が求められる」と説明。そこで、金融機関でも大規模な事例を持ち、ハイトランザクションにも対応可能なVantageCloud Enterpriseがモード1の領域で生きること、さらにはAWSで稼働させ、モード2の文脈でも活用できると判断し、採用を決めたという。

 現在、クレディセゾンは社員の課題解決につながるシステムをビジネス部門と検討しながら、開発を推進するモード1と、顧客体験の向上につながるシステムをビジネス部門と素早く開発するモード2を、SIerと共有しながら前述の内製開発を推進している。また、2019年時点ではコンテンツ配信など顧客向けシステムのクラウド移行が中心だったのが、現在ではデータ分析環境や、審査・与信といった基幹システムに近いシステムもクラウド活用に至ったという。「データ分析はTableauやPython、Rを必要に応じて組み合わせを変えながら活用していく。その基盤に、VantageCloud Enterpriseが位置している」(小野氏)。

図2:クラウドを活用したデータ基盤の構築(出典:クレディセゾン)
拡大画像表示

●Next:VantageCloudでデータのサイロ化の解決に力を注ぐ

この記事の続きをお読みいただくには、
会員登録(無料)が必要です
関連キーワード

クレディセゾン / DWH / データ活用基盤 / Teradata / データレイク / バイモーダル / CX / データプレパレーション / 金融 / 与信管理 / データマート / VantageCloud

関連記事

トピックス

[Sponsored]

「信頼性確保と顧客体験の向上をバイモーダル戦略で進める」─クレディセゾンクレディセゾンは2021年9月に発表したデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略「CSDX VISION」で複数掲げた推進目標の1つに、「セゾンデータプラットフォーム」の構築を含めている。2024年度中に顧客や提携企業、外部企業などの重要に応じて対応するデータプラットフォームを構築し、データ活用にかかる時間短縮を目指している。2022年11月26日、日本テラデータの説明会に同社取締役 兼 専務執行役員 CTO兼CIOの小野和俊氏が登壇し、取り組みの詳細を説明した。

PAGE TOP