[事例ニュース]
長野県信用組合、勘定系システムのオープン化に合わせ帳票基盤を刷新、2027年稼働へ
2026年4月8日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
長野県信用組合(本社:長野県長野市、通称:けんしんBANK)は、メインフレーム上で稼働する勘定系システムをJavaベースのオープン環境へと移行するプロジェクトを進めている。これに合わせ、約1500種の帳票を管理する帳票システムを刷新した。新たな帳票基盤は、勘定系システムとともに2027年中の稼働開始を予定している。帳票システムを提供したウイングアーク1stが2026年4月8日に発表した。
長野県信用組合は長年、勘定系システムの基盤として富士通のメインフレームを活用してきた。しかし、現行システムの稼働から1年が経過したタイミングで富士通がメインフレーム事業から撤退することが明らかになった。信用組合の多くが「共同センター」への加盟を選ぶ中、同組合は経営戦略の独自性とスピードを確保するため、自社システムを維持する道を選んだ。
勘定系システムのモダナイゼーションにあたっては、アクセンチュアの協力の下、既存のCOBOLアプリケーション資産をJavaへと自動変換するリライト手法を採用した。システム基盤にはOracle Cloud Infrastructure(OCI)を選定し、2027年中の本稼働を目指している。
刷新における課題の1つが帳票の整理だった。勘定系システムだけで約1500種の帳票が存在し、その多くが長年の運用を経てブラックボックス化していた。加えて、勘定系システムと情報系システムでそれぞれ異なる帳票管理ツールを併用しており、運用に制約があった。
図1:長野県信用組合が勘定系システムの刷新プロジェクトで構築した新帳票システムの構成(出典:ウイングアーク1st)拡大画像表示
オープン化を機に、帳票基盤を一本化した(図1)。採用したのは、電子帳票システム「SPAIS(スパイス)」と電子文書保管サービス「SVF Archiver」(ともにウイングアーク1st製)である。メインフレーム上の帳票資産をそのままオープン環境へ継承できることなどを評価した。
帳票システムの構築では、まず現行システムから資源を抽出し、実際に必要な帳票を洗い出すところから着手した。2026年2月には、約1500種の帳票移行を含む新たな帳票基盤の構築が完了した。構築にあたっては、帳票のオープン化を支援するシステム構築サービスも活用した。
2027年の本稼働に向けて、営業店でのペーパーレス化を最大の変革として位置付けている。これまで紙で出力・配布していた勘定系・情報系の帳票をすべてSPAIS基盤に集約し、電子的に閲覧・管理する運用へと転換する。印刷コストの削減だけでなく、利用状況の可視化によって不要な帳票の削減も図る。将来的には、SPAISを介して集約したデータをAIと組み合わせ、データドリブン経営の基盤として活用する構想も描いている。
長野県信用組合 / 勘定系システム / 帳票 / マイグレーション / ウイングアーク1st
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