三十三銀行(本店:三重県四日市市)は、保有するデータ資産に対して営業店から容易にアクセスできる仕組みを構築した。仮想データ統合ツール「DYNATREK」を導入し、業務計画の策定作業や貸出金の着地予想など、これまで事務作業負荷が大きかった作業を効率化した。2022年8月にシステム開発に着手し、約4カ月で構築が完了した。DYNATREKを提供するダイナトレックが2022年12月16日に発表した。
三十三銀行は2021年5月、第三銀行が三重銀行を吸収合併して発足した地方銀行である。発足時よりデジタルトランスフォーメーション(DX)による抜本的なビジネス変革を進めてきた。
今回、その取り組みの一環として、保有するデータ資産に対して営業店から容易にアクセスできる仕組みを構築した。営業店での事務作業負荷が大きかった業務計画の策定作業や貸出金の着地予想などを、業務帳票のレイアウトを変えることなくシステムから自動で取得する仕組みを構築した2022年8月にシステム開発に着手し、約4カ月で構築が完了した。(図1)。
DYNATREKで、三十三銀行の情報系データベースや収益管理システムを接続した。行員は、これらのデータソースに格納されたさまざまなデータを単一画面で操作できるようになった。
同行は現在、利用可能なデータ資産をリスト化する体制づくりを進めている。行員みずから仮想データ統合ツールを活用し、顧客へのタイムリーなアプローチや行内事務の効率化を実現できるようにする狙いがある。
DYNATREKは、複数のデータベースを仮想的に統合し、論理的な1つのデータベースとしてアクセスできるようにする仮想データ統合ツールである。ユーザーは、背後にあるデータベースの構造を意識することなく、仮想データベースを介して必要なデータにアクセスが可能になる(関連記事:データベース仮想統合ツール新版「DYNATREK ver. 5.1」、SaaSデータをAPIで取得可能に)。
仮想データベースは、定義やルールを持つだけの論理的なデータベースであり、実行時にデータを抽出する。検索対象のデータソース(既存のデータベースなど)に対し、JDBC経由でSQLを発行して検索結果のデータを取得する。データウェアハウス(DWH)のようなデータの再構成作業が不要で、データ生成のタイムラグがなく直近のデータを取得可能である。エンドユーザー向けに、専用のビジネスインテリジェンス(BI)ツール「DYNATREK Viewer」を提供している。