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目視による工場巡回点検を映像解析で自動化─NECファシリティーズが設備異常予兆検知システムを刷新

2022年12月27日(火)IT Leaders編集部

NECファシリティーズは2022年12月20日、工場設備異常予兆検知システム「NEC DFM Presagio II」を構築したと発表した。リアルタイムの映像解析によって、施設管理業務の大半を占める目視点検作業の8割程度を削減するとしている。同社自身で利用し、同社がユーザー向けに提供している施設管理業務のアウトソーシングサービスを強化する。同日、NEC玉川事業場(神奈川県川崎市)で受託している施設管理業務において運用を開始した。

 NECファシリティーズの「NEC DFM Presagio II」は、工場設備における異常の予兆を検知するシステムである。リアルタイムの映像解析によって、施設管理業務の大半を占める目視点検作業の8割程度を削減するとしている(図1)。

図1:異常予兆検知システム「NEC DFM Presagio II」の全体像(赤枠が今回の追加機能)(出典:NECファシリティーズ)
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 同社は2022年4月に、3Dウォークスルービューと振動診断の仕組みを組み合わせた設備異常予兆検知システム「NEC DFM Presagio」を構築し、これを活用した巡回点検作業の効率化に取り組んできた。今回、キヤノンの画像処理ソフトウェア「Vision Edition」を加えてNEC DFM Presagio IIを構築し、巡回点検を自動監視に切り替えるための運用を始めた。

 DFM Presagio IIにより、作業者が巡回して行う工場設備点検を自動化する。「現状、巡回点検の約7割は目視点検であり、アナログ/デジタルメーターの読み取り、制御盤のランプ点灯確認、設備の表示パネルの内容確認など各種の作業がある。目視で得た情報を基に異常を判定するノウハウが必要になる」(同社)。

 まずはNECファシリティーズ自身で利用し、同社がユーザー向けに提供している施設管理業務のアウトソーシングサービスを強化する。2022年12月20日に、NEC玉川事業場(神奈川県川崎市)で受託している施設管理業務において運用を開始した。

 DFM Presagio IIは、点検対象設備の中から重点監視ポイントを選定する。選定した監視ポイントを画像処理ソフトウェアに登録することによって、監視カメラが監視ポイントを自動で撮影し、異常の有無を判定する。

 また、アナログメーターや数字の認識など映像の種類に合わせて解析し、単一の監視ポイントの異常だけでなく、複数の監視ポイントの解析結果を組み合わせて設備系統全体での異常を判定する。これにより、点検作業者に依存しがちな判断基準を均一化する。

 NECファシリティーズは今後、水漏れ、蒸気漏れなどのトラブルの検知に取り組む。異常予兆検知システムの機能を拡張することによって、目視点検作業の代替範囲を拡大する。

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