[事例ニュース]
洋生菓子メーカーのモンテール、基幹システムをローコード/アジャイル開発で刷新
2023年1月24日(火)日川 佳三（IT Leaders編集部）
洋生菓子メーカーのモンテール（本社：埼玉県八潮市）は、菓子製造販売事業を支える基幹システムをローコード/ノーコード開発ツールを用いて刷新した。アジャイル開発手法を採用して業務部門の要望を開発に反映する反復開発を実行した。システム刷新により、商品の出荷業務の手間を減らし、商品マスターの登録時間を約3割短縮した。システム構築を支援したJBCCが2023年1月24日に発表した。
「小さな洋菓子店」ブランドのシュークリーム・エクレアなどの定番商品を持つ洋生菓子メーカーのモンテールは、オンラインで受注した商品を全国のスーパー・コンビニなどに即日製造・出荷する日配食品事業を展開している。今回、事業を支える基幹システムをローコード/ノーコード開発ツールを用いて刷新した。これにより、商品の出荷業務の手間を減らし、商品マスターの登録時間を約3割短縮した（図1）。
図1：モンテールが構築した新基幹システムの概要（出典：JBCC）拡大画像表示
モンテールはこれまで、「洋生菓子は鮮度が大切で、受注から出荷までのリードタイムが短い」（同社）という事業特性から、商品の受注から出荷に重点を置いたシステムを独自に開発し、長年オフコンで稼働させていた。だが近年は、季節商品や限定商品などの商品展開拡充のため、変化に柔軟に対応可能なオープン系の基幹システムへの再構築を検討していた。
開発プロジェクトでは、ジェネクサス・ジャパンのローコード開発ツール「GeneXus」を採用し、基幹システムをオープン系サーバー上に構築した。生産管理など他システムとも連携する。アジャイル手法を用いながら、現状分析と要件定義を実施し、全体像を描いて推進。実際に動作する画面を業務担当者と確認しながら要望を吸い上げて反復開発を進めたという。
機能面では、業務をスピードアップする各種機能を実装。全国の出荷指示をまとめて実施する機能によって、1カ月あたり約60時間を削減した。また、商品マスターを一括登録できるようにし、毎月の商品入れ替えに伴う登録作業を約3割減らした。業務も簡略化し、出荷指示から自動でユーザーごとの帳票を作成・出力できるようにした。
JBCCは、現状分析や要件定義からモンテールのシステム構築を支援した。アジャイルで業務部門の要望を開発に反映し、認識の祖語なく実業務に即したシステムを構築したとしている。モンテールにも開発に参加してもらい、継続的にモンテール社内で保守・運用ができるように内製化を支援した。
