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Dynabook、画像認識AIで作業不適合品を検出する「AI 不適合品検査システム」を2023年4月に提供
2023年2月14日(火)IT Leaders編集部
シャープ子会社でPCや企業向けシステムを開発・販売するDynabookは2023年2月13日、「AI 不適合品検査システム」を同年4月から製造業向けに提供すると発表した。同社が自社のPC製造工場で運用中の、画像認識AI技術を用いて作業不適合品を検出するシステムを外販する。今後の計画として、作業者の動作から作業忘れを検知して後戻り作業を減らす「AI 作業者動作検知システム」を開発して外販する。
Dynabookの「AI 不適合品検査システム」は、画像認識AI技術を用いて作業不適合品を検出する製造業向けシステムである。同社が自社のPC製造工場で2019年から運用するシステムを外販する。「ソフトウェア設計ノウハウと製造技術の現場管理ノウハウをすり合わせて開発した」(同社)という。
AI 不適合品検査システムは、ディープラーニング(深層学習)で作成したAIモデルをエッジPCに実装している。確認対象を撮影して設定した基準を基に、適合品かどうかを自動で判定する。Dynabookの実績として、約100点の確認を行う場合、作業者が目視で行う場合と比べて約半分の時間で判定している。
確認対象の判定から、良品を緑枠で表示し、不適合部分を赤枠で表示する(画面1)。検査対象リストにカーソルを合わせると、対象を拡大表示する。こうして、これまで作業者のスキルに頼っていた確認作業を自動化し、作業者の負荷を軽減する。
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AI 不適合品検査システムに続いてDynabookは、「AI 作業者動作検知システム」の外販を計画している。ディープラーニングで作成したAIモデルと作業手順をエッジPCに実装したシステムで、作業者の手と部品を動画撮影して作業忘れをリアルタイムに検知し、管理者に通知する(画面2)。これにより後戻り作業を減らす。同社の実績として、導入の前後を比べると生産効率が約5%向上した。
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各工程の作業時間を可視化することで、ラインバランスの調整時間も減らせる。撮影した動画を活用することで、新人教育の時間も削減可能である。