日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ（日本TCS）は2023年5月16日、SAP S/4HANA移行支援サービス「TCS ConvertCore+」を発表した。プロセスの整流化と、事前アセスメントの2つの要素で構成する。プロセスの整流化には業務プロセスモデリング/プロセスマイニングツール「SAP Signavio」を、事前アセスメントには日本TCSのS/4HANA移行支援ツール「TCS ConvertCore」を利用する。
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ（日本TCS）の「TCS ConvertCore+」は、SAP S/4HANAへの移行を支援するSIサービスである（図1）。業務モデリング/プロセスマイニングツール「SAP Signavio」を使ってプロセスの整流化するとともに、日本TCSのS/4HANA移行支援ツール「TCS ConvertCore」を使って事前アセスメントを実施する。
図1：SAP S/4HANA移行支援サービス「TCS ConvertCore+」の概要とサービスの流れ（出典：日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ） 1つ目の要素として、プロセスの整流化にSAP Signavioを用いる。現在の業務プロセスを「SAP Signavio Process Manager」で整理し、各業務の流れやインプット/アウトプット、関係するリソースを可視化する。これにより、机上で全体像を把握し、業務上のボトルネックを発見し、改善すべき箇所のあたりをつける。
さらに、シミュレーションなどの手段を活用し、今後のあるべき業務プロセスを設計する。シミュレーションによって得られるコストや時間の見込みをもとに、「As-Is（現状）」と「To-Be（理想）」を比較することで、プロセスを改善する。
状況に応じてプロセスマイニングも活用し、標準から逸脱したプロセスを発見して改善する。「SAP Signavio Process Intelligence」を使い、イレギュラーやルール逸脱などのボトルネックとなるプロセスを発見し、このデータをBPMN図（業務プロセスモデル図）に変換し、効率的に「To-Be」の検討を進める。
2つ目の要素として、TCS ConvertCoreのアセスメントツールを利用し、S/4HANAへの移行コストを抑えるための移行計画を立てる（関連記事：日本TCS、S/4HANA移行支援ツール「TCS ConvertCore」、移行で影響を受ける機能を評価）。状況に応じてSAP Signavio Process InsightsなどのS/4HANA分析ツールも活用して現状を把握する。
TCS ConvertCoreは、S/4HANAへの移行を効率的に実施するためのアセスメントツールと、移行作業を支援する各種ツールや方法論で構成する。移行前にアセスメントを実施することによって、移行時の影響事項や範囲を推測可能になる。、移行に必要な前提条件も決まる。
アセスメント結果をもとに、テスト方針、移行プロジェクトにおけるユーザーとTCSとの役割分担、S/4HANA要件（Fiori使用など）を確認する。さらに、プロジェクト計画書の作成に必要な各種情報を提供する。
