KDDIは2023年6月8日、インターネットを接続するバックボーンネットワークにおいて、複数ベンダーのハードウェア/ソフトウェアを組み合わせた「オープンルーター」の運用を開始したと発表した。汎用のホワイトボックススイッチとOSを組み合わせている。従来のルーターと比べて約50%の省電力化と約40%の小型化を実現した。KDDIによると、通信事業者におけるオープンルーターの商用運用は国内初、世界では2例目という。今後、同ルーターの導入を拡大し、バックボーンネットワークのオープン化を目指す。
KDDIは2022年3月、商用バックボーンネットワークのインターネット接続用ルーターに、複数ベンダーのハードウェアとソフトウェアを組み合わせた「オープンルーター」を適用し、運用を開始した(図1)。今後、同ルーターの導入を拡大し、バックボーンネットワークのオープン化を目指す。
図1:来型ベンダールーターとホワイトボックス化したルーターの構成比較(出典:KDDI)拡大画像表示
従来、バックボーンネットワークのルーターは、単一ベンダーがソフトウェアとハードウェアをまとめて提供していた。「5Gサービスなどによって通信量の急増が予想される中で、これを支えるネットワークインフラについて、省電力化、小型化、低コスト化などが求められている。従来は各種の用途に合わせて個別のハードウェアを準備する必要があり、コストがかさみ、運用が複雑になっていた」(KDDI)
今回導入したルーターは、米ブロードコム(Broadcom)のASIC「Jericho2」を搭載した台湾Delta Electronicsのホワイトボックススイッチ(40ポート100GbEインタフェース)。イスラエルDriveNetsのルーター用OSが動作する。
導入前の検証では、ルーティング機能、性能、相互接続性などを調べ、商用ネットワークでの利用に耐える機能と性能を持っていることを確認した。また、従来のルーターと比べて、約50%の省電力化と約40%の小型化を実現した。 KDDIは、通信機器のオープン化を推進することを目的に、米Meta Platformsが推進するTelecom Infra Project(TIP)に参加している。ルーターのホワイトボックス化に向けて、仕様の策定などで貢献している。
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