[市場動向]
SUSE、RHEL互換ディストリビューションを新たに開発すると表明、今後数年間で1000万ドル以上をプロジェクトに投資
2023年7月12日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
Linuxベンダーの独SUSEは2023年7月11日、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)互換のLinuxディストリビューションを新たに開発すると発表した。今後数年間で同プロジェクトに1000万ドル以上を投資する。米レッドハットがRHELのリビルドOSを排除する動きを見せている一方、「RHELとCentOSの代替製品を継続的に提供する」(SUSE)としている。
Linuxベンダーの独SUSEは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)互換のLinuxディストリビューションを開発する。今後数年間で同プロジェクトに1000万ドル以上を投資する。これまで取り組んできたSUSE Linux Enterpriseの開発やRHEL/CentOSのサポートに加えて、新たにRHEL互換OSに取り組む。
背景には、米レッドハットがRHELのリビルドOSを排除する動きを見せている一方で、「RHELとCentOSの代替製品を継続的に提供する」(SUSE)という狙いがある。
「オープンソースコミュニティと協力して、RHELとCentOSのユーザーのための長期的かつ永続的な互換性のある代替製品の開発に取り組んでいる。SUSEは、このプロジェクトをオープンソース財団に寄贈し、代替ソースコードへの継続的な無料アクセスを提供する」(SUSE)
なお、レッドハットは2023年6月21日に公開したブログ記事で、RHELのソースコードの一般公開を、RHELのアップストリームプロジェクトであるCentOS Streamのリポジトリに一本化し、ダウンストリームプロジェクトだったCentOSのリポジトリを介した一般公開を取りやめることをアナウンスしている。
レッドハットはさらに、同年6月28日に公開したブログ記事で、RHELのソースコードをリビルドしただけのRHEL互換OSには価値を見いだせない、との見解を示している。また、クローズドソースだとの批判に対しては、誰もが見られるCentOS StreamのGitLabソースでRHELをビルドしているので不正解だと語っている。