オリックス生命保険(本社:東京都千代田区)は2023年7月20日、AIを活用することで、保険の引受範囲を、傷病を理由に従来保険に加入できなかった人にも拡大すると発表した。引受査定業務において、フランスの再保険会社スコール(SCOR)のAIモデル「Virtual Underwriting」(VUW)を導入する。2023年内に新ルールでの運用を開始する見込み。
オリックス生命保険は、AIを活用することで、保険の引受範囲を、傷病を理由に従来保険に加入できなかった人にも拡大する。
引受査定業務(アンダーライティング)において、フランスの再保険会社スコール(SCOR)のAIモデル「Virtual Underwriting(VUW)」を導入する。VUWは、保険会社が持つビックデータを活用し、傷病ごとの給付発生率をAIでシミュレーションする。2023年内に新ルールでの運用を開始する見込みである。
AIモデルの効果を測定するため、オリックス生命が蓄積してきた給付金支払いデータなどを基に、これまで引き受けできなかった一部の傷病を持っている人(加入する時点で傷病を持っている人、同社が求める告知期間内に治療などがある人を含む)を対象に、無条件で加入した場合の仮想シミュレーションを実施した。この結果、医療保険をはじめとした該当商品の保険料や保障内容などを変えることなく、引受範囲の拡大が可能であることを確認した。
顧客の告知頻度が高い6傷病から対象範囲を順次拡大し、検証を進める。今後、新ルールを適用した場合、これまで特別条件付き(被保険者の健康状態や過去の病歴などに応じて契約に付帯される条件のこと)に限って引き受けていた傷病において、約90%が無条件(告知時点で治療中の人は除く)で引き受けが可能になるという。