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三菱重工とNTT、外国特許出願時に専用AI翻訳を活用する検証、人間の作業を大幅に削減

2023年10月17日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

三菱重工業(本社:東京都千代田区)とNTTは2023年10月17日、外国特許の出願に特許専用のAI翻訳を活用する検証を行い、人間の作業を大幅に削減できる可能性を確認したと発表した。特許関連文書の翻訳には正確さや厳密さが要求されるため、汎用的なAI翻訳では要求を満たせず、人間が翻訳結果を修正する必要がある問題への取り組みとなる。

 三菱重工業とNTTは、外国特許の出願に特許専用のAI翻訳を活用する検証を行い、人間の作業を大幅に削減できる可能性を確認した。特許関連文書の翻訳には正確さや厳密さが要求されるため、汎用的なAI翻訳では要求を満たせず、人間が翻訳結果を修正する必要がある問題への取り組みとなる。

 検証では、三菱重工の特許明細書を対象に、NTT研究所の研究開発成果を取り入れたAI自動翻訳エンジンを用いた。三菱重工の知財部門は実業務の日英の特許明細書(請求項含む)の評価用データを提供、NTTは特許の表現で構成する3億超の日英特許対訳文コーパスを提供した。

 今回の特許専用翻訳、汎用翻訳、既存の特許専用翻訳の3種類のAI自動翻訳の結果について、翻訳品質を順位づけして評価した。評価の結果、3種類の平均順位はそれぞれ1.5位、2.0位、1.9位となり、特許専門翻訳が最も高い翻訳品質だった。

 また、プロの翻訳者が事前に作成した、正解翻訳との類似性を用いた自動評価(100点満点)においては、汎用翻訳が38.6点、既存特許専門翻訳が44.0点であったのに対して、今回の特許専門翻訳は57.5点と大幅な向上が見られた。「特許専用AIを用いた自動翻訳を活用することで、外国特許出願時の翻訳に要する工数を大幅に削減できる可能性を示している」(両社)。

 今後、NTTのグループ企業であるみらい翻訳が、特許専用のAI自動翻訳サービスを提供する予定。NTTグループの各事業会社を通して、同技術に基づく製品・サービスを提供していく。

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