鹿島建設は、横浜市戸塚区のマンション建築工事現場にIoTシステムを導入し、建設現場での「窓閉め確認作業」の効率化を図っている。センサーデータをBluetoothで収集し可視化する、東京エレクトロン デバイス(TED)のクラウド型IoTシステム「IoT INSIGHT CaaS」を採用した。TEDが2023年11月9日に発表した。
鹿島建設の横浜支店は、マンション建設現場における「窓閉め確認作業」の効率化を図っている。終業時に建物の窓閉め確認作業を必ず行うが、各階・各部屋に行って目視で確認する必要がある。数百戸以上のマンションだと確認作業だけで1時間以上かかり、現場担当者の負荷が高くなることが課題だった。
そこで、各部屋の窓枠に設置したセンサーが「窓の開閉状況」を検知し、通知する確認の仕組みを構築した。スマートフォンなどからリアルタイムで窓の開閉確認が行え、目視に比べて確認時間が3分の1以下になった。窓の閉め忘れによる悪天候時の不具合の防止、現場担当者の労働時間の短縮といった効果も得られたという。
センサーデータをBluetoothで収集し可視化する、東京エレクトロン デバイス(TED)のクラウド型IoTシステム「IoT INSIGHT CaaS」を導入して仕組みを構築した。防塵・防水対応のBluetooth通信中継装置により、電源確保が難しい建築工事現場でも、少ない台数で全室の確認が可能という。
鹿島建設は、今回の導入事例を参考に、他の建築工事現場への適用も検討している。「建設業界には労働人口減少に伴う人材不足から、長時間労働が常態化している。2024年4月から建設業への適用が始まる働き方改革関連法を見据えて、窓閉め確認作業の効率化は有用な解決策になった」(TED)。