B2B通販サイト「モノタロウ」を運営するMonotaRO(本社:大阪府大阪市)は2023年11月30日、会計システムをSAPジャパンのERPアプリケーション「SAP S/4HANA」で刷新し、利用を開始したと発表した。導入は日本ビジネスシステムズ(JBS)の支援を得て、業務を標準に合わせてアドオン開発を最小限に抑える方針でプロジェクトを進めた。
工業用間接資材などを扱うB2B通販サイト「モノタロウ」を運営するMonotaROは、会計システムをSAPジャパンのERPアプリケーション「SAP S/4HANA」(画面1)で刷新した。大量のトランザクションに対して安定的に会計処理を行うための基盤を構築したとしている。
画面1:「SAP S/4HANA」の画面例(出典:独SAP)拡大画像表示
売上げが2019年度から2023年度にかけて倍増するなど、同社では事業の成長に伴い、売掛金の消込・締め処理といった会計処理量が急増していた。今後も増加するトランザクションを処理するためには、サーバーリソースの増強に依らない根本的な解決が必要と考え、2020年に新しい会計システムの検討を開始した。
S/4HANAによる新システムの要件定義では、業務を標準に合わせる「Fit to Standard」のコンセプトに従い、100程度あったアドオン候補について精査し、最終的には30程度に絞り込んでいる。
新システムでは、売掛金の消込処理をシンプルにし、ペーパーレス対応として、紙文書の電子化と会計伝票へのひもづけなどを実施した。同社によると、ある取引先に関する売掛金の消込処理は、従来の約2時間から92%減らして10分強になったという。
「既存のパッケージで全業務を網羅できるわけではないので、まずは極力、現状の全業務フローを可視化・整理した。そのうえでS/4HANAの機能や仕様と照らし合わせながら改めて業務を見直し、システムの要件に落とし込んでいる。そこから費用対効果を考慮してアドオン候補を精査し、最適解へと絞り込んだ」(同社)
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