NECは2024年7月24日、ファイルサーバー管理ソフトウェア新版「NEC Information Assessment System(NIAS) V5.2」を提供開始した。ユーザーに不要ファイルの削除を促してファイルサーバーのデータ量を削減する。新版では、全ユーザーのアクセス権限をフォルダツリー上で可視化して一括で修正する機能などを追加した。
NECの「NEC Information Assessment System(NIAS)」は、ファイルサーバー管理ソフトウェアである。Windowsファイル共有サーバーやNAS(Network Attached Storage)などCIFS/SMB方式で動作する複数のファイルサーバーを対象に、削除候補となる不要なファイルを検出して、ファイルサーバーの容量逼迫を防ぐ機能を備えている(関連記事:不要ファイルの削除を促すファイルサーバー管理ソフト「NIAS」にログ監視オプション、ランサムウェア感染を通知)。
不要ファイルの候補を、ファイルサーバーの利用状況とデータの増加予測に基づいて提示し、NIASからファイルの利用者にメールで整理(削除)を依頼する仕組み。重複ファイルや長期間未参照のファイルなど、事前に設定したルールに合致したファイルを自動削除する運用も可能である。
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新版のV5.2では、全ユーザーのアクセス権限をフォルダツリー上で可視化し、一括で修正する機能が加わり、大規模な環境や複雑な権限設定の下での運用が容易になった(図1)。また、不要なファイルをアーカイブする運用において、ファイルサーバー側のアクセス権限を更新した際に、アーカイブのアクセス権も同期するようにし、アーカイブ側の権限設定を手動で行う必要がなくなった。
加えて、個人情報の検出機能を強化し、生年月日の情報を検出できるようにした。これにより、NIASで検出可能な個人情報は7種類(氏名、住所、電話番号、生年月日、メールアドレス、クレジットカード番号、マイナンバー)と任意のキーワード(「社外秘」など)になった(画面1)。
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個人情報の検出機能ではさらに、指定したパターンに合致した文字列を検出する「パターン検出機能」を強化し、パターンには合致するものの検出する必要がない英数字の羅列を排除する「除外機能」を追加した。例えば、検出キーワードが「012#######」(#は任意の数値1文字を表現)の場合、英数字がパターンの前後に出現する「00123456789」や「0123456789a」などを検出しないようにした。これにより、金融業で証券番号を管理するケースなどにおいて、誤検知を抑制する。
このほか、Active Directory(AD)管理下の複数フォレスト内のドメインすべてをNIASのサーバー1台で一元管理できるようにした。これまではフォレストごとに独立したNIASサーバーが必要だった。「企業の統廃合などによってADのドメインが複雑化するケースに配慮した」(NEC)という。
価格(税別)は、本体(1TB)と個人情報検出オプション(1TB)のいずれも買い切り型が50万円、1年ライセンスが30万5000円、半年ライセンスが17万1000円。