キヤノンITソリューションズ（キヤノンITS）は2024年7月31日、同社の西東京データセンターにおいて、液冷方式によるサーバー冷却サービスを同年12月から提供すると発表した。生成AIの利用増で需要が高まる高性能/高発熱サーバーに対するすぐれた冷却効率性を特徴とする。
キヤノンITソリューションズ（キヤノンITS）は、同社の西東京データセンター（東京都西東京市、写真1）において、液体冷却（液冷）方式によるサーバー冷却サービスを2024年12月から提供する。
写真1：西東京データセンターの外観（出典：キヤノンITソリューションズ）拡大画像表示
「昨今、AIの活用や画像を含む多量のデータ処理への関心から、これらに対応する高性能サーバーの需要が高まっている。サーバーベンダー各社が高性能なGPUサーバーやHPCシステムの開発に注力する中、稼働時の発熱量が大幅に増大している」（キヤノンITS）
こうした状況から、サーバー冷却方式として、従来の空冷方式よりも効率的に冷却可能な直接液冷方式（Direct Liquid Cooling）を採用した製品の普及が急速に進んでいる。キヤノンITSは、このような需要に対応するための設備を構築し、新たなハウジングサービス/ホスティング/システム運用保守サービスとして提供する。
大容量電力の使用に対応した給電方式の採用により、超高負荷の直接液冷方式サーバーであっても安定運用可能な環境を提供する。また、液冷サーバーへの冷水供給にはループ配管方式を採用し、障害発生時に当該部分を安全に切り離すことで、他のシステムに影響を及ぼさないとしている。
西東京データセンターは、自然災害の影響を受けにくい武蔵野台地に立地する。ユーザーのニーズとシステム特性に合わせてITインフラ環境を設計・構築し保守運用サービスまで包括的に提供するとしている。キヤノンITSは、同データセンターとDR（災害復旧）構成が可能な沖縄データセンター（沖縄県）を運営している。
