福岡ひびき信用金庫(本店:福岡県北九州市)は、バックアップ用のテープストレージをクラウドストレージに置き換えた。米Wasabi Technologiesのクラウドストレージ「Wasabi Hot Cloud Storage」を採用した。データ量が増えてテープバックアップが1日で終了できなくなったため再構築し、作業工数を約75%削減した。ネットワールドが2024年8月29日に発表した。
福岡ひびき信用金庫は、バックアップアプライアンス「Rubrik」を用いて、情報系システム群を収容する仮想化基盤やOracle Database、ファイルサーバーを1次バックアップしている。2次バックアップはテープストレージに行い、テープを遠隔地に保管していたが、データ量が増えてテープバックアップが1日で終了できなくなったため、2次バックアップシステムを再構築した(図1)。
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2次バックアップ先として、テープストレージに代えて、米Wasabi TechnologiesのAmazon S3互換のクラウドストレージ「Wasabi Hot Cloud Storage」を採用。5年間50TBのリソースを容量予約制で調達し、2024年1月に利用を開始した。検討時に候補にした大手クラウドストレージと比較してコストを約30%削減できること。下り転送料やAPIリクエスト料金が発生しない点などを評価した。
現在は14世代分の日次バックアップを取得し、ファイルサーバーについては5年間長期保管用の月次バックアップを別途取得している。バックアップ速度は10GbE回線で実測値で約6Gbit/s、ファイルサーバーについては1時間おきにバックアップを取得可能になった。
2次バックアップが1日で終わらない問題を解消し、テープの交換や遠隔地への輸送/保管といった作業負担が減り、作業工数を約75%削減した。2次バックアップからのリストアが必要な際、クラウドストレージであれば、テープよりも短時間でリストア作業を行える。
現在のところ、Microsoft 365のバックアップをクラウド上のRubrikに取得している。福岡ひびき信用金庫はこのバックアップも含め、2次バックアップの適用範囲の拡大を検討していく計画という。