日本を代表する百戦錬磨のCIO/ITリーダー達が、一線を退いてもなお経営とITのあるべき姿に思いを馳せ、現役の経営陣や情報システム部門の悩み事を聞き、ディスカッションし、アドバイスを贈る──「CIO Lounge」はそんな腕利きの諸氏が集まるコミュニティである。本連載では、「企業の経営者とCIO/情報システム部門の架け橋」、そして「ユーザー企業とベンダー企業の架け橋」となる知見・助言をリレーコラム形式でお届けする。今回は、堀場製作所 情報システム部門長で、CIO Lounge正会員メンバーの栗田英正氏からのメッセージである。

デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉が広く浸透して数年が経ちました。「もう聞き飽きた」という方もいると思いますが、しかし、今なお多くの企業がDXの取り組みに苦労しているのが現実ではないでしょうか。私自身、「何から手をつければよいかわからない」「目的が明確にならないまま手段だけが先行してしまう」といった声を度々、耳にします。そこで本コラムで、改めてDXを整理してみましょう。
経済産業省のDXレポートによると、DXとは「顧客視点での新たな価値創出に向けてデジタル技術を活用し、ビジネスモデルや企業文化を変革する取り組み」です。そして、この取り組みは新しい日本の創造に向けて西洋のさまざまな社会制度や新たな技術を導入し、政治体制や文化を変革した幕末から明治にかけての明治維新に通じるものがあるとも感じます。
変革を主導した維新志士たちが目指したのは、西洋列強に対抗できる強固な国家を建設し、国民の幸福と繁栄を実現することでした。志を共有した人々のエネルギーが、倒幕から明治維新へと変革を推し進める原動力となったのです。同様に、DX=デジタルによるビジネスの変革を進めるためには、志であるビジョンとミッション、バリューを定め、社内で共有することが重要です。
●Next:DX推進の第一歩、自社のビジョンとミッションの明確化と共有を
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