[架け橋 by CIO Lounge]

IT活用やデジタル化の目的を、いま一度明確化しよう

ヤンマーホールディングス 取締役 CDO 奥山博史氏

2025年6月13日(金)CIO Lounge

日本を代表する百戦錬磨のCIO/ITリーダー達が、一線を退いてもなお経営とITのあるべき姿に思いを馳せ、現役の経営陣や情報システム部門の悩み事を聞き、ディスカッションし、アドバイスを贈る──「CIO Lounge」はそんな腕利きの諸氏が集まるコミュニティである。本連載では、「企業の経営者とCIO/情報システム部門の架け橋」、そして「ユーザー企業とベンダー企業の架け橋」となる知見・助言をリレーコラム形式でお届けする。今回は、ヤンマーホールディングス 取締役 CDOで、CIO Lounge正会員メンバーの奥山博史氏からのメッセージである。

ITの活用やデジタル化はなぜ必要か

 ITの活用やデジタル化は何のために必要でしょうか──。こう聞かれたときの回答は、ITやデジタルへの理解度や立場、業務経験などの違いによって、大きく分かれると思います。

 例えば、「まずは紙の無駄をなくすことだ」とおっしゃる方もいれば、「業務をデジタルで完全に自動化・自働化する」と考える方もいらっしゃるかもしれません。ここまで極端ではなくても、さまざまな答えが存在する問いだと思います。読者の皆様はいかがでしょうか?

 私自身はどうかと言いますと、デジタル化の目的の1つは様々なプロセスのPDCAを高速で回し、我々の内部プロセスや製品の進化スピードを最大限に加速させることだと考えます。典型的な意思決定のプロセス、言い換えればビジネスを進める上でのステップは、図1の4つのステップに整理できると思います。このプロセスは、ループのように継続的に回り続けるものです。

図1:PDCAを高速で回すことで製品の内部プロセスの進化を加速
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 図には関連するデジタル・ITツールを示しましたが、さまざまなデジタル施策やIT施策に取り組んでいるのは、このループを高速で回すためにほかなりません。紙による手計算がなぜ効率的でないかというと、このプロセスが分断され、時間がかかってしまうからです。プロセスを高速で回そうとすると、やはりデジタルでつなぎ、情報が自動的に流れてループが回るようにする必要があります。今日ではAIが情報を読み取れるようにしておくことも重要です。

 逆に言うと、このようなプロセスの高速化に貢献しないデジタル施策は、何を目的にしているのか、再考の余地があることになります。

●Next:ヤンマーにおけるPDCA高速化の取り組み例

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