開発ツールベンダーのアンチパターンは2025年6月12日、SaaS事業者向け開発ツール「SaaSus Platform」に、APIをMCP(Model Context Protocol)サーバー化する機能「Smart MCP Server」を追加した。既存アプリケーションのSaaS化、API化、MCP化(AIエージェント連携)までを短期間で実現できるという。
アンチパターンの「SaaSus Platform」は、SaaS事業者向けの開発プラットフォームである。SaaSの運営に必要な共通機能(認証・認可、テナント管理、請求管理など)を、クラウドサービスと各言語(PHP、TypeScript、Java、Go、Python)向けSDK(ソフトウェア開発キット)として提供している(関連記事:アンチパターン、SaaS開発・運用ツール「SaaSus」に、生成AIによるAPI自動生成機能を追加)。
Javaで開発したWebアプリケーションの機能をWeb API化する機能「Smart API Gateway」も持つ。既存のJavaソースコードのうち、API化する部分を簡単な記述で指定してSaaSus Platformにアップロードすると、生成AIが指定部分の機能を自動でAPI化する。APIのエンドポイント(URL)の生成と共に、APIの管理機能(APIキーの発行・管理、認証・認可、流量制御)を提供する。

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今回、Smart API Gatewayで生成したWeb APIをMCP(Model Context Protocol)サーバーにする機能「Smart MCP Server」を追加した。これにより、既存アプリケーションのSaaS化、API化、MCP化(AIエージェント連携)までを短期間で実現できるという(図1)。
MCPサーバーの作成にあたり、特別な設定は不要である。Smart API Gateway機能を利用してAPIのエンドポイントを生成すると、自動的にMCPサーバーとしても公開する。ClaudeやOpenAIなどのMCPクライアント機能を備えた生成AIアプリケーションからそのまま呼び出せる。AIエージェントによる業務自動化や分析が容易になる。
MCPサーバーの活用例として、販売管理SaaSにおけるAIエージェント連携を挙げている。販売データを取得・更新するAPIエンドポイントとMCPサーバーを生成することで、生成AIアプリケーション(AIチャットボットやデータ分析ツール)から販売データに容易にアクセスできるようになる。