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Terra Drone、クマよけスプレー噴射ドローンを開発、自治体などに販売

国内で深刻化するクマの人身被害を受けて開発

2025年11月10日(月)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)

Terra Droneは2025年11月7日、クマよけスプレー噴射機能を搭載したドローンを開発したと発表した。上空から唐辛子スプレーを遠隔操作で噴射する。国内で深刻化しているクマの人身被害および出没事案を受けて開発した。今後、自治体を中心に製品を販売する。

 ドローンメーカーのTerra Drone(テラドローン)は、ドローンの応用例の1つとして、クマよけスプレー噴射機能を搭載したドローン(写真1)を開発した。上空から唐辛子スプレーを遠隔操作で噴射する。国内で深刻化しているクマの人身被害および出没事案を受けて開発した。今後、自治体を中心に製品を販売する。

図1:クマよけスプレーの噴射機能を搭載したドローンの外観(出典:Terra Drone)
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 2025年は、国内各地でクマの人身被害および市街地付近での出没が記録的水準に達している。特に秋田県・岩手県をはじめとする東北地方で被害が深刻化し、住宅地・商業施設・学校周辺といった生活圏での目撃・遭遇が相次いでいる。

 Terra Droneは、ドローンを活用して社会課題を解決することを目指して、これまで測量・点検・農業分野においてドローン製品を開発・提供してきた。「今回、設計・開発のノウハウを生かし、上空からの広域探索とオペレーターの安全確保を両立する手段として、遠隔操作でクマよけスプレーの噴射が可能なドローンの開発に至った」と説明している。

 クマよけスプレー噴射ドローンは、上空からの探索で地上の状況を素早く把握しながら、クマと安全な距離(約500m~1km)を保ったままスプレーを噴射できる。クマの背後・側面への回り込みや全方位からの噴射が可能なため、風向き待ちの時間を減らせる。

 ドローン機体にクマよけスプレー缶と噴霧装置を搭載し、オペレーターが操るコントローラには、噴射ボタンと一人称視点のジンバルカメラ映像を映すディスプレイが備わる。なお、クマよけスプレーは、トウガラシ由来の辛味成分であるカプサイシンを主成分とする非致死的な防護手段である。一般的な噴射距離は約5m~10mで、クマを一時的にひるませ、突進や接近から退避する時間を確保できるという。

 以下はクマよけスプレー噴射ドローンの仕様である。Terra Droneは今後、改良を重ねて、2026年3月を目途に飛行時間を約75分に延長し、赤外カメラと可視光カメラの両方を搭載した新モデルを開発する計画という。

  • 飛行時間:約10分
  • サイズ:390mm×390mm×390mm
  • 電波距離:12km
  • 電波:2.4GHz 周波数帯域
  • 飛行モード:GPS Position飛行
  • 搭載物:FPVジンバル式カメラ、スプレー缶
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ドローン / 安全管理 / 自治体 / 秋田県 / 岩手県 / 農業 / GPS / 災害対策

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