富士通は、同社のLCMサービスセンターにおいて顧客のITシステムの問い合わせを一括で受け付け、現地でトラブル対応を行う「簡易運用支援サービス」、および同社のサービスエンジニアが客先を訪問し、顧客システムの安定稼働を支援する「安定稼働診断サービス」の2つを1月7日より販売開始すると発表した。両サービスの対象となるのは、PCサーバー10台程度で構成される比較的小規模なシステム。
LCM(Life Cycle Management)サービスとは、ITシステムの企画・設計/導入/運用/移転・撤去といったライフサイクルをトータルで管理するもので、同社では、LCMサービスを提供する基盤としてLCMサービスセンターを全国8カ所に設置。顧客システムの24時間365日リモート監視、システムトラブル時の問題解決支援、エンドユーザー向けのヘルプデスクサービスなどを実施している。
今回発表された2つのサービスでは、LCMサービスセンターおよびサービスエンジニアが顧客に代わってITシステムの運用業務を実施し、「運用コストの削減(最大約30%)」、「システム利用者へのサービス品質の向上」などを推進していく。サービスの概要は以下のとおり。
簡易運用支援サービス
複数のベンダー製品を含むITシステムの問い合わせをLCMサービスセンターにおいて一括で受け付け、問い合わせ窓口を一本化する。トラブルの発生時には、LCMサービスセンターのハードウェアおよびOSやミドルのソフトウェアスキルを持つ専任技術者と、現地のサービスエンジニアがそれぞれ連携してトラブル内容の調査や原因の切り分け、復旧対応を行う。顧客自身でのベンダーへの問い合わせが不要になるとともに、トラブル発生時にもシステムの早期復旧が可能となる。
安定稼働診断サービス
同社のサービスエンジニアが定期的に客先を訪問し、同社製PCサーバーの稼働状況の分析結果に基づいた簡易診断や、OSの最新セキュリティ情報の提供、必要に応じたシステムディスクのバックアップなど、トラブルを未然に防ぐための改善提案を実施する。万一、PCサーバーにトラブルが発生した場合でも、サービスエンジニアが客先で必要に応じて原因分析のための情報採取や、事前にバックアップした予備ディスクへの交換など、システムを構成するPCサーバーの「安定稼働」に向けた作業を実施する。
販売価格は、「簡易運用支援サービス」がPCサーバー1台(PC100台まで)あたり4万500円/月、「安定稼働診断サービス」がPCサーバー1台あたり7000円/月。価格はいずれも税別。
簡易運用支援サービスの初期導入時および対象機器の追加時には、別途、一時作業費用が必要となるほか、簡易運用支援サービス、安定稼働診断サービスともに、対象ハードウェア・ソフトウェアごとに同社の保守サービス「SupportDesk」の契約が必要となる。
富士通はこれまでにアウトソーシングビジネスの一環として、パソコンの運用を管理する「PC-LCMサービス」、ライフサイクルの特定のフェーズに特化した「LCMフェーズ別メニュー」、コールセンター機能を持つ「LCMサービスセンター」の拠点強化などを進めている。今後も、顧客のITシステムに柔軟に対応するサービスメニューを順次拡充し、ライフサイクルマネジメント(LCM)の視点で顧客のITシステムを支援していきたいとしている。