SAPジャパンは2009年7月1日、SAP BusinessObjects のガバナンス、リスク、コンプライアンス(GRC)ソリューションの最新版である「SAP BusinessObjects Process Control(ビジネスオブジェクツプロセスコントロール)3.0」と「SAP BusinessObjects Risk Management(ビジネスオブジェクツリスクマネジメント)3.0」を発表した。
「SAP BusinessObjects Process Control」と「SAP BusinessObjects Risk Management」の最新版では、2つのソリューションの連携による統合・自動化の強化や、SAP BusinessObjectsのBI製品が統合され、分析機能および生産性の向上、主要リスク管理指標(KRI)の追加などの新機能が提供される。各ソリューションの主な最新機能は下記のとおり。
▽両ソリューションの統合による新機能
- 内部・外部環境の変化に応じて変化するビジネスリスクやその重要度を統制の評価・管理に反映することができるリスク・ベースの統制方法をサポートできる。これにより、重要なリスクの重点管理によるリスクへの確実な対応や、重要ではないリスクの優先順位や対応度合いを下げることで、統制活動の効率化を図ることができる。
▽SAP BusinessObjects Process Controlの新機能
- さまざまな技術の活用による分析機能および生産性の向上:
SAPが統合したCrystal ReportsやXcelsiusとの連携が可能となる。40超の定義済みレポートが提供され、分析レポーティング機能が強化される。またAdobe Interactive Formsとの連携により、オフライン・テストを実現。ネットワーク環境が不十分で、アプリケーションの配布が困難な海外等の拠点においても、Adobe Interactive Formsで作成した調査票を配布することで、本社と拠点の間のスムーズなコミュニケーションが可能となる。 - コンプライアンス・フレームワークの拡張:
SOX法等、財務・会計に関するコンプライアンス管理や評価に重点を置いていた従来版に対して、最新版では、PCI(PaymentCard Industry Data Security Standard)等のセキュリティ基準、FDA(食品医薬品局)等の業界規制、また企業独自の統制ルールなど、社内外の多様なコンプライアンス・フレームワークを一元管理できる。
▽SAP BusinessObjects Risk Managementの新機能
- KRIの追加:
リスク項目ごとに定義済みのKRIを提供。たとえば「品質」というリスクでは、「延滞通知」や「顧客からのクレーム」といった指標にそれぞれのしきい値をサンプルとして提供し、ユーザーのリスク管理の早期立上げを支援する。
同ソリューションによって、ビジネスの遂行に伴い生じるビジネスリスクが明確に定義され、かつそれらのリスクが一定の許容範囲内になるように統制が有効に機能しているかをモニタリングすることができるため、企業はリスクとリターンのバランスを判断した上での意思決定がしやすくなるという。
同ソリューションの一般出荷は2009年10月に予定されている。
SAPジャパン
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